天蓋山 (1527m 飛騨市) 2004.10.17 晴れ 16人

山之村キャンプ場大駐車場(8:45)→雀平展望台(9:52)→天蓋山山頂(10:25-13:00)→山之村キャンプ場大駐車場(14:12)

【参加者】カッペさん、Nさん、庚申草さん、駒さん、ミツルさん、kuさん、ジオンさん、blueskyさん、makotoさん、Sさん、ayameさん、ヤブさん、キーノさんご夫妻、RAKU、らくえぬ

 掲示板「クーの山小屋」で秋のオフ会の話しが持ち上がった。昨年の秋、位山〜川上岳の超ロングコースの楽しかったオフ会が思い出される。今回の幹事は山小屋管理人のkuさん。何とはなしに行き先は天蓋山に決まった。岐阜県の最北端である神岡町の山之村まで行くことになる。車でのアプローチは長いが、kuさんの下見では天蓋山山頂までの登りの時間はゆっくり登っても2時間以内で登れるとのこと。(登り終えて、「車で4時間もかけて来る山じゃないよ〜ォ」と誰かさん) 

 ドタキャン、ドタサンで最終的にメンバーは16人。遠い山なのによく集まったものである。遠いので、16名のうち6名は前夜泊。我々は前日に丹生川村の五色ヶ原を歩くことにしていたので、前夜泊とした。今回、初対面のキーノご夫妻がキャンピングカーで前夜泊するので前夜祭をしましょうとお誘いした。キーノご夫妻とはこの夏に銚子ヶ峰でニアミスしている。

 五色ヶ原トレッキングの後、ジョイフル朴の木の温泉で汗を流し、平湯から福地温泉を経由して栃尾温泉の橋を渡ったところから左折して国道471号線を西進。川沿いにかなり走ると左へ国府町の案内板を見る。岐阜市から山之村に直行するのであれば、飛騨のいろは坂と言われる十三暮峠を経てこの交差点に出るのが最短コースとなる。ここからすぐ西にある交差点を右へ入れば山之村・有峰湖方面へ続く大規模林道。表示板があり分かりやすい。

 この交差点のすぐ西隣に、この辺りには珍しくコンビニがある。コンビニで明日の食材を購入して、ひたすら大規模林道を登る。二車線のすばらしい道であるが、冬季は通行止めとなる。この道を山之村まで登り切るのに結構時間がかかったが、なんとか8時前に道の駅「天の夕顔」に到着。道の駅の駐車場には、すでに前夜泊組のキーノご夫妻のキャンピングカー(自称カタツムリ号)がポツンと停まっていた。

 まずは、挨拶。道の駅のトイレは夜にはシャッターが下りるためキャンプ場の駐車場に車を移動した。初対面でありながら初対面のような気にならず、「では、明日の宴会のリハーサルをしましょう」ということで、ずうずうしく車内に上がり込んだ。カタツムリ号の中は、ちょっとしたバーに変身。すでにキーノさんの飲んだビール缶がシンクに一杯。

 ビール、ワインにポテトチップや鮎の甘露煮をつまみに話しに花が咲いた。キーノご夫妻は、私たちのレポをプリントして、山へ出かけられていたという話を聞いて感謝感激。銚子ヶ峰のニアミスの時、我々は帰路、雪渓の足跡をトレースして道を誤ったが、面白いことには、この雪渓に新たに足跡を作り後続者を惑わした人がキーノさんだと暴露。こんな話しは尽きず、あっという間の3時間であった。キーノさん、ありがとうございました。

 真っ黒な空には美しい天の川が流れていた。夜空を見ながら前夜泊して良かったと思った。もう一組の前夜泊組である庚申草さん、blueskyさんがやって来るので、車を道の駅まで下ろし、車内で熟睡。庚申草さんたちの到着も知らず、朝になった。

 当日は、6時起床。前夜泊でこんなに遅く起きたのは初めて。他の人を起こしてはならないと思いつつ、bleuskyさんたちを起こしてしまい、挨拶を交わした。足元が寒かったので、早々と登山靴に履き替え、食事を済ませ、キャンプ場を見学。天蓋山の登山口はキャンプ場を縦貫する未舗装道路を最奥まで登ったところにあり、登山口まで散歩してみた。すでに何台かの車が到着していた。

 道の駅に戻ると当日出発組が到着したところ。皆さんに「ご来光を拝みに先に天蓋山へ行って来たのか」と冗談を飛ばされた。身支度して車を登山口駐車場まで上げる。グランドのように大きな未舗装の駐車場で数十台は停められそうだ。近くにトイレや水場もある。初対面の方もいるので駐車場で自己紹介。この夏は我々二人だけでの山歩きが多かったことから、お会いするのは久しぶりの方ばかり。我々が参加した最後のオフ会は7月の金草岳。ドタサンのmakotoさんは昨日、白山釈迦岳を登ってその足で参加とのこと。実にタフである。庚申草さんとは一の峰、ミツルさんとは花房山、kuさんとは雪の品又山以来。毎晩、掲示板でお会いしているのでそんな気にはならないのだが。

 天蓋山へと歩き出す。登山口のコースタイム2時間の表示を見て、こんな遠い所まで来て2時間歩きかと思いながらホッとしたような物足りないような気持ち。歩き始めは、平坦で2、3人が並んで歩ける道幅であったが、次第に勾配が急になり道幅が狭くなってきた。右に谷を見ながら美しいシラカバの林を歩く。ツルリンドウの赤い実は秋山の定番。山栗がいっぱい落ちている辺りで小休止。落ちている栗は中身が動物に食べられている。「空の栗では寂しいね」と言っていたら、茹で栗が回ってきた。何処産だったのかな? 

 谷をはずれて左の尾根に上がり、再び谷を見る。谷を渡り返し、斜面に取り付き、尾根までのジグザグ道を5分ほど登る。尾根に出て、ここから一直線の急登が始まる。階段状に刻まれた踏み跡をたどって、一歩一歩登っていく。かなりの勾配だが、全員元気に登っていく。ミツルさんは大きなザックに大きなナベを手に持っての登り。さすが山男。とても真似できない。

 いろいろな落ち葉を踏みながら歩く。途中、小休止。やがてなだらかな道になるが、「山頂はまだ先」とkuさん。この辺りのシラカバは青い空を背景にすばらしく美しい。前方には紅葉の美しいピークが望める。一旦下って、ピークを登り返す。すぐにピーク頂上へ。このピークには雀平展望台の表示があり、左奥から立山、薬師、北之俣、黒部五郎、笠と書かれていたが北アルプスは雲の中。展望のない所で休んでも仕方がないので休憩もせず歩き出す。

 前方にまたピークが見える。再び急な登り。途中でキノコを採りながら歩いている人に出会った。袋にいっぱキノコが入っていたので、お聞きするとブナシメジだそうだ。登り切って再び平坦な道になる。そしてまたまた登り。どれだけピークがあるのか。そういえば山頂まであと30分と標識があったことを思い出す。「まだ、100メートルは登らなくては」とカッペさん。ひたすら登る。

 ピークを登る途中でみんな後ろを振り向いている。見ると、雲が切れ真っ白な山が姿を現すところだ。聞けば薬師岳。なんと美しい山であろうか。山頂からの展望が期待できそうだ。そんな事を知らないで、登るのに必死な人もあったようだ。ピークを登り詰めるが、まだ山頂ではない。どうやらここが山頂手前のピーク。少し下って最後の登り。山頂から「はやく登ってりゃー」の声。

 広い山頂に着き後ろを振り返る。「わー、笠だ。薬師だ。槍だ。」と大騒ぎ。山の同定に皆忙しくなった。岐阜県の最北端はまさに北アルプス展望のSS席。雲がある間は方向が定まらず、白山を乗鞍と間違える一幕もあった。雲はしだいに消え始め、すぐに360度の大展望となった。

 東方向の北には剣岳がすばらしい三角形を作っている。その横に立山。美しい形の白い山は薬師岳。なだらかな稜線は北之俣岳。対照的にどっしりと聳える一段と大きな山は黒部五郎岳。遠方に槍ヶ岳が突き出ている。その横には穂高があるのだが、それを覆い隠す大きな山は笠ヶ岳である。南へ焼岳、乗鞍、御嶽が連なる。西には白山と別山が肩を並べる。恵那山が見えるのか議論になったが、恵那山は御岳に重なり見えないようだ。自宅から4時間近くかかってきた甲斐があった。すばらしい光景であり、これを見るために「行くぞ」と意気込まないと来れない山だ。

 同定が終わって、集合写真を撮り終え、kuの山小屋恒例の宴会モードに入る。ミツルさんが大きなブルーシートを持ち上げてくれたため16人全員シートの上に座る事ができた。他の登山者の皆さん、大勢で騒いでごめんなさい。山頂が広くてよかった。

 さて、出る出る。みんなが持ってきた物がブルーシートを埋め尽くす。オードブルとして、カッペさん、Nさんの干物系のつまみと美味しい生湯葉、キーノさんのどて煮、ミツルさんの16人用のなべの中はちゃんこ鍋、引き続き山盛りの美味しい豚の角煮。ミツルさんのザックが大きかった訳である。ayameさんの水ぎょうざが出てきたかと思うとblueskyさんなど皆さんの持ち寄った食材でキムチ鍋に変身。Sさん恒例の美味しい自家製野菜の漬物。

 庚申草さん、「フライをやります」とみんなの前で串かつを揚げていただいた。ラードで揚げるのがコツ。この技、いただきました。名古屋名物「味噌串かつ」の実演。そして、自家製野菜とハーブのイタリアンサラダ。デザートは、ジオンさんの氷ったフルーツ入りヨーグルト。2月の上高地を思い出す。blueskyさんからおいしいぜんざいとみかん。もちろんコーヒー(オーストラリア産)付きで、まさに天蓋山レストラン。お酒もビール、日本酒、焼酎、果実酒(昨年の川上岳オフ会で拾ったオオウラジロノキ)、ワインとよりどりみどり。いつものように駒さんのザックからはロング缶のビールが手品のように何本も出てきた。「酒あるゥ?」との声が何回か聞こえ、ちょっとアルコールが足りなかった人もいたが、これ以上あったら・・・・?

 2時間半程の昼食と会話を楽しみ下山開始。13時になるのを待って出発。帰路は前方に北アルプスを見ながら下る。こんなに急斜面を登ったのかと思うほどの登山道。ゆっくり下る人、速く下る人、2グループに分かれて下った。早い人は1時間で登山口に着いたそうだ。さすが皆さん、健脚ぞろい。登山口で、駒さんが草むらの中へ。何だろうかと思っていたらかわいいリンドウが咲いていたのだ。さすが、駒さん、花を見つける事に余念がない。

 紅葉は台風のせいで、葉が色づく前に落ちてしまい今一つと残念であったが、北アルプスの展望台として、簡単に登れる山で、360度の光景は本当にすばらしい。お薦めの1山。この山は天気の良い日に登りたい。来年は、今日、山頂で見た北之俣岳に続く稜線を歩きたい。また、薬師岳も登りたいと思った。駐車場で全員集合して、解散式。次回のオフ会は忘年登山? 皆さん、ありがとうございました。 
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