トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号)
天狗ヶ城〜松宇土 (684m 720m 山県市) 2014.11.16 晴れ 2人
八月堂(9:26)→貴船神社分岐点(10:02)→神崎分岐点(10:23)→鉄塔(10:33-10:37)→手取岩(10:55)→天狗ヶ城山頂(11:01-11:13)→松宇土山頂(11:36-11:42)→天狗ヶ城山頂分岐点(12:03)→鉄塔(12:21-13:29)→神崎分岐点(13:38)→貴船神社分岐点(13:50)→貴船神社(14:07)→八月堂(14:25)
★11月16日に山県市の天狗ヶ城と松宇土に登って来ました。
★八月堂に参拝して、人工林の登山道へ。
★貴船神社からの道と合流して展望地を通過。
★人工林のトラバース道を抜けて、紅葉したシロモジのトンネルを歩いて石仏を見ながら鉄塔へ。
★鉄塔からの大展望を楽しんで、さらに紅葉の道を歩き手取岩を見て、天狗ヶ城山頂に立ちました。
★さらに稜線をアップダウンして松宇土山頂へ。
★登ってきた道を引き返して、鉄塔下でのんびりと昼食を楽しみました。
★帰路は、貴船神社へ下り、取りこぼしていた2山の登頂を達成しました。
★美しい紅葉の中、静かな素晴らしい山旅となりました。
天狗ヶ城・松宇土は、近場で取りこぼしている山。夏場にはヤマビルがいることが取りこぼしている理由であり、ヤマビルがいなくなったこの時期が登山のチャンス。人工林が多いというネット情報から、紅葉はあまり期待せず、未踏の山を減らすために、今回はこの2山を登ることにした。
山県市美山町の国道418号線を根尾方向に向かう。天狗ヶ城への南からの登山口は八月堂と貴船神社の2箇所にあり、八月堂から登ることにする。八月堂は国道から北にわずかに入ったところにあり、国道には「八月堂前」のバス停がある。八月堂の前には数台駐車できる駐車場があり、駐車場のカエデが真っ赤に紅葉していた。その奥には大きな一本杉があった。八王子杉とよばれるもので、37mの丈があるそうだ。
男性がブロアーで落ち葉を吹き飛ばしてみえたので、天狗ヶ城に登ることを告げ、駐車させてもらうことにした。最近、この近くで熊が目撃されているので注意するように言われ、登山口を教えてもらった。まずは、八月堂で今日の登山の安全とクマに出会わないことを祈願。お堂の右側の細い道を歩いて、赤い鳥居の手前から左折して山道に入る。
人工林の中に入ると、すぐ上に建物があり、この後、この建物が御嶽神社であることが分かった。ぬかるんだ道を通過し、杉林を登る。山県市の山案内役のアニメが描かれた標示板には天狗ヶ城登山道と書いてあり、道ははっきりとしている。久しぶりに地面から顔を出したキノコ「ツチグリ」を見つけた。
緩やかな登りが続く。切捨て間伐の林を抜け、背の低いササが生える人工林を左山で歩き、尾根に出る。このとき気づかなかったが、ここが貴船神社への分岐点。なだらかな人工林を歩くと、左側が切り開かれた場所があり、西側にある山々が望める。
ここから再び左山のトラバースとなる。数分歩いて尾根に出ると、天然林の尾根道となる。シロモジが黄色く色づき始めたところ。尾根を左に外して歩き、尾根に出たところで道が左右に分離しており、その間に小さな石が置いてある。石には左は「山」、右は「神崎」と掘り込んであり、石の上の木に「←天狗ヶ城」と書かれたプレートが掛かっていた。左の道を進むとすぐに小さな石仏があった。手を合わせて、左山でササ付きの人工林に入る。人工林を抜け、今度は右山の天然林へ。そして鉄塔下に出た。
鉄塔の下はきれいに草が刈り取られており、東側と南側の展望がすばらしい。いくつかの山々が望めるが、名前の分かる山は恵那山くらいだった。周囲の木々の紅葉が美しい。昼食は展望のいいここで下山時にとることにして、山頂に向かう。気持ちのいい天然林の尾根歩きが続く。前方に見えるピークが天狗ヶ城のようだ。
散ったばかりの落ち葉を踏みながら、プラスチック階段を登って、右に人工林が現れると、急登になる。ササ付きの急斜面を登る。ちょうど人工林と天然林の境目に道がある。急斜面を5分ほど登ると人工林の中に大きな岩が現れた。手取岩と言われる大岩で、ここから5分ほど登ると「天狗ヶ城→」の白いプレートが木に掛けてある。右に折れて人工林の中を登っていくとすぐに山頂。天狗ヶ城の言われが書かれた大きな看板があり、山名標示板が木に縛り付けてある。三角点は無く、周囲は人工林で展望は無い。
写真を撮って、引き返し、プレートのあるところから更に先に向かう。ネットの写真ではここに「松宇土」の標示があるのだが、見当たらない。一旦下って登り返す。シロモジの紅葉がきれいになってきた。地面にはたくさんのシカの糞が落ちており、多くのシカが生息しているようだ。急登となり一登りで赤いバケツが切り株にかぶせてあるピークを通過。振り向くと天狗ヶ城が望めた。
左方向に向きを変えてササの道を下っていく。北側を見下ろすと、人工林の中に未舗装の林道がすぐ近くまで上がってきている。相変わらず人工林の境を歩く。白ペンキが塗ってある木も見られる。この先アップダウンを繰り返し大きなピークを登り詰めると三角点があった。「松宇土 720.1m」と書かれたプレートが木に縛り付けてあった。西側は紅葉した落葉樹が美しい。樹間から対峙する山が望めた。ちょうど正午。鉄塔まで戻って昼食にすることとし、登ってきた道を引き返す。
天狗ヶ城の分岐点で、地面に落ちているプレートを発見。拾い上げてみると「←松宇土」と書かれたプレートで、付けられた木が折れていた。木に立てかけておく。一気に下って鉄塔へ。鉄塔下もシカの糞が一面に散らばっている。東側の展望を見ながら昼食にする。メニューは缶詰と卵雑炊。
雑炊を作っていると、後ろで音がした。振り向いて驚いた。マウンテンバイクの男性が我々とは反対の方向から息を切らして登ってきたところだ。聞けば、神崎方面の林道から来たという。すぐにもう一人が同じく自転車で到着して倒れ込んだ。昼食をとっている間に、二人は我々が上ってきた方向へ下っていった。自転車ではちょっときついところもあるが、どのように下っていったのだろうか。昼食の後、彼らが登ってきた道を見てみると、プラスチック階段の急斜面が下っている。自転車を引っ張って登ってきたのだから倒れ込むのは最も。
ゆっくりと昼食を楽しんで下山開始。帰路、石仏の北にあるピークはトラバースせずに尾根を歩いてみた。わずかな踏み跡がありササの丈も低い。ピークを越えて石仏の後ろに下りた。神崎の分岐点で神崎方向への道に少し踏み込んでみたが、道はあるもののかなり荒れているようだった。
紅葉の道を下って、人工林の中に入って貴船神社への分岐点を発見。往路では後方から合流する道に気がつかなかった。よく踏まれた道が人工林の中を下っている。八月堂の道よりも踏み跡がしっかりしており、こちらの道のほうがよく歩かれているようだ。西側の展望が開ける場所が一箇所ある。かなり下ったところで、小さなお社が山側にある。ここでも手を合わせて下るとすぐに建物が現れた。貴船神社である。神社に今日の山歩きが無事に終了したことを感謝して拍手を打った。
本殿から急な長い階段を下る。鳥居を潜ると階段の西側に山道が設けられていることが分かった。苔むした道を滑らないように歩いて民家の中の細い道を抜け、国道に出て東に向かい八月堂に戻った。
八月堂裏の赤い鳥居が気になったので行ってみると、朝、お堂の掃除をしてみえた男性に再び出会った。いい山歩きができたことを報告。以前、この道を自転車が下りてきたことにびっくりしたと話された。我々も鉄塔でマウンテンバイクに出会ったことを話した。この先に御嶽神社があると聞いたので、男性と別れて御嶽神社に参拝して、山歩きを終えた。
天狗ヶ城・松宇土は道もしっかりしており静かな山歩きができる。展望地は少なく、下部は人工林が多いが、上部の尾根歩きは天然林で、紅葉の時期は登山には最適。夏にはヤマビルが多く、登山には適さない。早春や残雪期にも登ってみたい山である。
★天狗ヶ城・松宇土からの展望
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