天空遊歩道往復1
天空遊歩道往復2

位山〜川上岳  【天空遊歩道往復】 (1529m 1626m 宮村) 2003.10.19 晴れ 14人

ダナ平林道終点登山口(7:58)→位山山頂(8:33-8:39)→川上岳まで5km標識(9:34)→1443mピーク・三角点(9:54)→川上岳まで2.1km標識(10:32)→宮の大イチイ分岐点(10:56)→川上岳山頂(11:39-13:48)→位山まで4.1km標識(14:25)→1443mピーク・三角点(15:02)→位山まで2km標識(15:23)→位山分岐点(16:37)→ダナ平林道終点登山口(17:09)

【参加者】いかわさん、葵のMさん、Nさん、Sさん、sizukaさん、ブルさん、katakuriさん、ジオンさん、YUKIさん、blueskyさん、駒さん、kuさん、RAKU T&N 計14人

 HP「クーの山歩記」の管理人kuさんが設置する掲示板「クーの山小屋」は、毎日、山大好き人間の常連さんによる書き込みで賑わっている。この夏、ウチとkuさんのHPアクセス件数が2万回、1万回とキリを達成したことから、「クーの山小屋」オフ登山の話しが持ち上がった。

 6月、我々が川上岳に登ったことをきっかけに、この山に登ってないメンバーが多かったことから、行き先を川上岳と決め、幹事を受けることにした。「クーの山小屋」を通じてのオフ登山は、今年3月の雪の上高地を発端に、「○○山に行きますよ」「追いかけます」といった調子で、大白木山、毘沙門岳、舟伏山などしばしば行われている。

 川上岳オフ登山は紅葉の時期とし、夏の終わり頃に日程を確定。インターネットや宮村役場の情報から、紅葉最盛期の10月中旬と決めた。10月の連休頃は運動会等の催事が開催されることから、3連休を外して10月19日(日)に決定。

 川上岳へのルートは4つある。@コースは最も登られている萩原町山之口登山口コース。我々が6月に登ったコースである。Aコースは宮村ツメタ谷林道登山口コース。Bコースは馬瀬村コース。そして、Cコースは宮村ダナ平林道終点から位山を経て天空遊歩道を歩くコース。

 事前に、宮村役場や馬瀬村役場にネットのメールで照会したところ、どちらの役場も親切に知りたい情報を提供いただき、地図まで送ってもらった。その結果によると、Aコースは手前の県道が閉鎖。またBコースも林道歩きが2時間ほどかかるのではないかとのこと。この結果を踏まえて9月下旬にkuさんとCコース→@コースを下見した。(別ページレポート参照)

 コース選定でかなり迷ったが、下見の結果、林道や駐車場所の状況、急登の有無、展望などから判断してCコースの往復に決めた。掲示板で参加者を募ると、大勢の常連の皆さんから手が上がり、当日直前まで参加者は増え続け、最終で16人参加の大所帯となった。HP「プリンスNORIの隠れ家」の管理人のノンキ君も山頂で合流できそうとのことで楽しみが増えた。ジオンさん、YUKIさん、blueskyさん、駒さんは初対面となる。

 山歩きの楽しみの1つであるランチは、いつもならみんな思い思いの食材を持ち寄るが、今回、昼食時間は1時間半が限度であることから、メニューを鍋に決めて食材は自分が食べる量を基準に自由に持ち寄ることとした。なにしろ宴会重視のメンバーばかり。どんな具が登場するか楽しみな企画である。コンロやナベも割り振りをした。

 このコースの短所は歩行時間が長いこと。アプローチは岐阜市内から2時間半ほどかかる。このため、各地域毎に車をまとめて朝5時にそれぞれの待ち合わせ場所に集合して出発することとした。我々の車にはSさん、ayameさん、ヤブさんの5人が乗り合わせることとし、岐阜市東部で待ち合わせをした。

 集合場所に着くとayameさんが1人でやって来た。ご主人のヤブさんがギックリ腰になって参加出来なくなり、用意してあった食材とコンロ・ナベをわざわざ持ってきてくださった。いきなりのハプニングにびっくり。見送るayameさんを後に、集合場所のモンデウススキー場を目指す。

 集合時間は7時30分。携帯で連絡をとりながら4台の車はほぼ同時に集合場所に着いた。初対面の人、久しぶりの人、みんな毎晩掲示板でおしゃべりしている仲間であり、違和感がない。これがオフ会の面白いところ。駐車場で自己紹介。駒さんは先輩にそっくりで初対面とは思えなかった。ジオンさん、blueskyさん、YUKIさんもイメージに近い。後にblueskyさんからRAKU-Nが友人にウリ2つだと聞かされた。皆さん、多少のギャップを修正して名前と一致させたに違いない。

 車を最小限の3台にして、ダナ平林道を登った。天気予報は晴れなのだが、今回も前回同様、山にガスがかかっている。紅葉最盛期。散り始めた木の葉の中を20分で林道終点へ。すでに2台の車が止まっていた。身支度をして登山届けをボックスに入れ、予定どおり8時に出発。ayameさんの食材はkuさんのザックへ入れていただいた。

 まずは位山への濡れた急斜面を登る。露の水滴が雨のように落ちてくる。先頭はいつものようにいかわさん。その後に女性陣が続く。ちょっとピッチが早い。「この歩き方はいつもと違う。その後についている人が追い立てている。」と葵のMさん。いかわさんはカメラを車に忘れたので写真を撮らない分、ペースが速いのかも。いきなりこの調子ではバテる人が出るのではと思ったが、急な登りは直ぐに終わりなだらかな道になる。

 35分で位山山頂へ到着。全員で記念撮影して川上岳を目指す。分岐点から少し下の真っ赤に色づいたサラサドウダンの道がすばらしい。湿地帯を抜けササ道へ。刈り取られたササを踏むと滑りやすく、何度も足を取られた。ガスも消え前回には見えなかった川上岳が「山」の字の形をして前方に望める。ナナカマドの葉はすでに散り、地面の上に落ちた赤い軸が美しい。木には真っ赤な実だけが残っている。ササの葉が輝き、朝陽に紅葉した木々が浮かび上がる。散り始めた落ち葉を踏んで歩く秋の山はいい。

 一時間ほど歩いて、前回同様気持ちのいいササの道で休憩。喫煙者はタバコタイム。みなさんからいただいた氷砂糖やチョコレートが美味しかった。川上岳まで5km標識を通過し、1443mピークの三角点へ。左手に大きな山が雲から頭を出している。「方向からして御前山ではないか」と駒さんと話していたが、なんと御嶽山であった。巨大な山容がシルエットになっている。西には白山がきれいに見える。右に御嶽山、左に白山。まさに天空遊歩道である。

 kuさんは最後尾についたり、先頭に出たりして新調したデジタルカメラで写真撮影。blueskyさんはかなり歩き慣れてみえるようで軽快なペース。先頭に遅れまいと一生懸命のジオンさんとYUKIさん。katakuriさん、ブルさん、sizukaさんは写真を撮りながらいつものペース。メンバーそれぞれいろいろな会話をしながら山頂をめざす。

 9月に3人で歩いた時には3時間30分強で川上岳に着いた。十数人のパーティーともなれば4時間はかかるとコースタイムを作成したが、ほぼ前回と同様のタイムで歩いている。急登が続く訳でもなく、歩き慣れているメンバーでもあることから、ロングコースでもピッチは落ちない。

 鞍部から最後の登りにかかる。登り始めてすぐに、後方の位山の向こうに槍ヶ岳や穂高連峰が立ち上がってきた。その左には笠ヶ岳、右には乗鞍岳。笠ヶ岳の左の三角形は薬師岳だと駒さんから教えてもらった。前回には見えなかった光景。みんなで写真撮影。

 大イチイ分岐点で休息して、ヒノキ林を抜けると山頂は間近。ナナカマドの実をついばんでいる鳥は双眼鏡で確認してアトリだとSさん。野鳥はその気になって覚えないとなかなか覚えられない。最近は、鳥の鳴き声に気が付くようになってきたが、同定まではほど遠い。ジオンさんは自然観察のグループで精力的に勉強してみえるとのことだった。植物や昆虫、動物などの知識があれば、山歩きはより一層楽しくなることは間違いない。

 ツルリンドウの赤い実や咲き遅れた花を見ながら山頂へ。3時間40分で到着。前回とほぼ変わらないペースであったのには驚いた。山頂は何人かの登山者で賑わっていた。ぐるりと360度の大展望に全員感動。

 標識柱の北側にシートを敷いて、まずはビールで乾杯。予定した以上にナベやコンロが出てきた。いくつナベが並んだであろうか。鍋のメニューに統一したはずなのに、なぜか突然、焼き肉が回ってきた。ルール違反ではあるがいかわさん定番の焼き肉はいつ食べても美味しい。すぐに出来るところもいい。これがないと宴会は始まらないようだ。

 みなさんのザックからいろいろな鍋の食材が出てきた。お肉、鮭、蟹、いろいろなキノコ、各種野菜、おでんの具、うどん、餅などすぐに食材の山ができた。ナベごと種類がちがうのがいい。キムチ鍋、キノコ鍋、蟹鍋、鮭鍋、おでん鍋、寄せ鍋、そしてなぜかすき焼きまで登場。料理班が大活躍。さらに漬け物やフルーツ、するめ、焼きチクワなどオフ登山始まって以来の豪華宴会となった。

 駒さんのザックは途中のコンビニで仕入れた缶ビールでいっぱい。駒さんの楽しいキャラクターに女性ファンも増えたのではなかろうか。いかわさんグループはいつものように清酒で盛り上がる定番の宴会スタイル。飲むのと食べるのと料理を作るのに忙しい。次々と回ってくるご馳走をいただきながら腹一杯で大満足。

 宴会が終盤にさしかかった頃、「ノンキ君では」と、kuさん。萩原町側から登ってきたのは「プリンスNORIの隠れ家」の管理人のノンキ君。少し遅れて相棒さんも到着。マラソンランナーであり超人的な山歩きをしている彼のHPのレポートは、臨場感にあふれ、いつも楽しく読まさせてもらっている。聞けば、山之口登山道からゲートの先の林道に入り位山南尾根を目指したが、ヤブで撤退し通常コースを歩いてきたとのこと。詳細はノンキ君のHPをご覧いただきたい。

 2人にも無理矢理宴会の円陣に加わっていただき、残り物と言っては失礼だが食べきれなかった食材で鍋を作って食べていただいた。しっかり食べていただいたことに一堂感謝。コーヒーとケーキで締めくくって、宴会1時間半の予定が2時間以上オーバーして終了。みなさん、食材の持ちすぎで使わなかった食材を持って帰った方も多かったみたい。ビールや酒は完売。

 後片づけをして標識の前で全員で記念撮影。いかわさんが鉄柱の標識に触れたら倒れてしまった。危ない危ない。御嶽山や穂高・槍は雲に隠れたが、白山はいつまでも美しい姿を見せてくれた。

 見送ってくれたノンキ君に手を振って、天空遊歩道を引き返す。山之口コースであれば下るだけであるが、このコースは再びいくつものピークを越える。逆方向は始めてであり、往路とはちがう景色が楽しめた。登りになると、いかわさんのピッチも落ち気味。飲み過ぎのためか? 途中、リンゴを小さくしたような実がたくさん落ちていた。前回、サルナシだと思っていたが、頭上を見上げてもサルナシのツルがない。バラ科の実ではないかとSさん。確かにバラ科だ。帰って調べたところ、オオウラジロノキの実であることが分かった。オオズミともいい、希少種らしい。食べてみると9月の時よりは甘みが増していたが、あいかわらず渋い。

 白山はグレーのシルエットになり、西日が当たるササ原や天然林の中を位山めざして歩いた。黄金色に染まった秋色の山が物悲しく美しい。ジオンさんが少し足を痛めたようであったが、日頃鍛えてみえることもあり、大事には至らなかった。適度に休息をとって、陽が西の山に沈むのとほぼ同時に駐車地点に到着した。ヘッドランプ持参を徹底したが、ほぼ予定通りの時間に到着することができた。

 秋の陽はつるべ落とし、車で林道を下る頃には辺りはすっかり暗くなっていた。いつもなら温泉によって汗を流すところであるが、遠方のメンバーもあることからモンデウスの駐車場で解散した。

 大人数でこのロングコースを無事歩き終えることができ、最高の展望、楽しい宴会、新たな出合いなどすばらしいオフ会となった。全員の方とゆっくり語る時間は十分になかったものの、この山歩きをきっかけに、毎晩、掲示板やメールを利用した語らいは益々深まるであろう。また、今後企画されるであろう忘年会登山・新年会登山などのプロローグとして、今回のオフ登山は大きな意義があったこと間違いなし。さらにメンバーが増え、「クーの山小屋」を中心に交流の輪が広がる予感。早くも掲示板では次の幹事が決まろうとしている。
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