トレースマップ (カシミール3Dで作成)
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)

虎子山 (1183m 揖斐川町) 2007.1.3 晴れ 13人

国見岳スキー場駐車場(7:41)→国見峠(8:29-8:36)→稜線の肩(9:57)→虎子山山頂(10:30-12:22)→国見峠(13:17-13:26)→駐車場(14:02)

<参加者> むっしゅ〜さん、syunさん、のびたさん、風花さん、sizukaさん、ブルさん、katakuriさん、ジオンさん、和たん、ラブさん、BOGGYさん、RAKU、らくえぬ

 1月1日の初日の出登山の時、いつものように1月3日の新年初歩きの行き先の山の話しが出る。昨年は吹雪で撤退の貝月山、一昨年は好天の飯盛山、その前はあられの降る貝月山と、揖斐方面の山が続いている。

 今年は虎子山の名前が上がった。すると、ジオンさんから「3日に、むっしゅ〜さんやsyunさんたちと虎子山を予定していますが、一緒にいかがですか。」とのお誘い。同じ日に同じ場所なので、ジオンさんに仲介してもらい、一緒に行くこととなった。
 
 むっしゅ〜さんは「むっしゅ〜の野遊び録」、syunさんは「syunの山日記」というタイトルで、岐阜県の山を中心としたHPを公開されており、我々もよく拝見している。今回の同行者は、「クーの山小屋」の常連さんばかり。風花さんや和たん、ジオンさんなどHP管理者も多い。楽しくなりそうな予感がした。
 
 虎子山へは、4年前の2月に登っている。初めてワカンなるものを履いて、深い雪に苦戦しながら山頂を極めた思い出の山である。雪山歩きのおもしろさを教えてくれた山でもある。
 
 7時にモリモリ村の入口集合。10分ほど前に集合場所に着くと、3人の男性が待ってみえた。今回の参加者で初対面はむっしゅ〜さんとsyunさんの2人だけと聞いていたので、別のグループだと思っていたところ、ジオンさんたちが到着して、3人はむっしゅ〜さん、syunさんそしてsyunさんのお友達ののびたさんということが分かった。
 
 syunさんとのびたさんは、昨年の相戸岳で、カッペさん達が深雪をラッセルして、山頂まで後数メートルというところまで到達し力尽きかけたとき、追いついた2人がその先をラッセルし、カッペさん達を山頂まで導いたという、エピソードの持ち主。この出来事以来、syunさん達は「白馬の騎士」と呼ばれている。
 
 初対面の挨拶の後、全員が揃ったところで虎子山の登山口となる国見岳スキー場へ移動。今回の参加者は13人。国見岳スキー場は、雪が少なく閉鎖していた。国見峠に最も近い、トイレの前の駐車場に車を停めた。それぞれ身支度。スキー場の犬が騒がしい。このとき大変なハプニンガが起こっていたとは、下山するまで知らなかった・・・(^^)。
 
 雪が数センチ積もった国見峠への道をツボ足で歩く。ざらめ状に凍った雪面がサクサクと音をたてる。4年前の大雪の時とは雲泥の差。軽快なピッチで登っていく。むっしゅ〜さんは、主に単独で月に2・3回の山歩きをしてみえ、雪の虎子山も、昨年の大雪の時に登頂してみえる。県内の比較的マイナーな山も登ってみえ、今後の参考にしたい。
 
 syunさんは、この秋にmakotoさんと3人で大川入山に登ったときに登山口が分からず、makotoさんが電話で確認をした相手がsyunさんだった。syunさんはちょうど三方崩山に登り始めたところで電話が入ったそうだ。また、BOGGYさんが、昨年、飯盛山ですれ違っていたということも分かった。
 
 動物の足跡や周囲の山の同定をしながら、峠を目指す。この道は展望がバツグン。正面にこれから登る虎子山が大きく、朝日に赤く染まって美しい。その稜線はブンゲンへと続き、北にはブンゲンの兄弟のような山容を見せる貝月山が、入り組んだ美しい尾根を見せる。その隣は鍋倉山、東には鎗ヶ先が見える。
 
 貝月山と鍋倉山の間に雪をかぶったバラの花のようなロール状の花房山が頭を見せているのが面白い。カーブするたびに、景色が変わり、ゲレンデがいつの間にか眼下に。お正月の暖かさで、山側から転がり落ちた雪がロールケーキとなっていた。おしゃべりをしながらあっけなくゲートのある国見峠に到着して休憩。4年前は大きな雪の壁ができていたが、今日は路面のアスファルトが見え、石碑の回りにも雪はない。大きな伊吹山が逆光に黒いシルエットを作っていた。貝月山の大展望を楽しむ。ジオンさんから定番の美味しい手作りケーキをいただく。
 
 峠から南へ登れば国見岳から伊吹北尾根へ。虎子山は北側の急斜面に取り付く。左にあるスギ林の境を歩く。すぐに左へ作業道が派生しているが、尾根を進む。トレースは無い。ここからが急登。浅い雪に足を取られないように登っていく。最近倒れた木が中途半端に登山道に横たわり、sizukaさんが木に乗って押さえつけ、全員が乗り越えた。
 
 潅木の間から、右に貝月山を見ながら急斜面を登り切ると、傾斜が緩やかになりやや左方向に向きを変えていく。この辺りの植林には、鹿の食害防止のため赤いテープが巻かれている。標高970mほどの場所である。ここで休憩。この先、標高差200mほどを直線に登って虎子山の肩に出ることになる。雪は10センチ程度でツボ足でも問題はないが、シロモジなどの潅木が結構うるさい。先行者との間隔を開けないと、枝の跳ね返りが痛い。
 
 色とりどりのテープが続き、木々の間を時折ザックを引っかけながら登っていく。シロモジの花芽が小さな拳を振り上げている。前方、右側に虎子の稜線が迫り、青空が眩しい。稜線の肩にかなり近づいたところで1本。風花さんがGPSでこの先の距離を確認。らくえぬが「ご縁がありますように」と、5円玉チョコを配る。このチョコレートの包みにおみくじが付いており、「道を切り開く」という言葉も・・・。この先、おみくじ通りの展開になるとは・・・。
 
 次第に雪が深くなり、ササが現れた。ラッセルをするkatakuriさんに代わって先頭に立った。テープを確認しながら、潅木の間をすり抜ける。左に巨大な伊吹山が横たわる。傾斜が緩やかになり、稜線の肩に着いて右に直角に曲がる。左は人工林が稜線近くまで迫っている。以前は、雪が豊富で、大きな雪庇ができており、何の障害物もなく稜線をラッセルしたが、今回はそういう訳にはいかない。雪は深くなりツボ足よりもワカンのほうが楽に思ったが、倒れ込んだササや潅木が地表に出ているところが多く、ワカンでは歩けそうにない。
 
 道の跡形はなく、稜線上は潅木のヤブ。テープを追いながら、少しでも隙間の広いルートを選び歩く。雪に埋もれていないササも多くあり、両手でかき分けるようなところも多い。肩のピークからやや下って前方のピークに向かう。偽の山頂である。GPSが山頂までの距離を正確に教えてくれる。テープは稜線から西側の人工林に入ったり出たり。倒木もある。時折、テープを見失いながら、稜線を歩き、山頂手前のピークに出て先頭を交代。雪の上でヤブをこぐのは初めての体験。以前の虎子山とは全く違う山のようだ。
 
 ここから、更に潅木と人工林の間を抜けて、障害物競走はゴール。山頂には単独男性の先客が1名。聞けば、滋賀県方面から登ってみえたとのこと。ここからの展望は、何と言ってもブンゲンと貝月山がすばらしい。林道からは貝月山と鍋倉山の間に花房山が見えたが、ここからは、ブンゲンと貝月山の間に、天狗山が、そしてその向こうに真っ白な能郷白山が見えた。鍋倉山から鎗ヶ先山に続く稜線の向こうには、ムネ山から小島山の稜線。右には池田山、そして国見岳。遙か遠くにかすかに御嶽山が望めた。眼下にはスキー場が見下ろせる。
 
 雪の下から、三角点と白いプラスチックの標識が表れた。雪の深さは50センチもないほど。いくつかの山名プレートは雪に埋もれておらず、その前に並んで、まずは記念撮影。HPの管理人さんが多いだけに、何台ものカメラでセルフタイマーを切った。山名表示板の1つに「ヒトリシズカ」と書かれていたのには大笑い。sizukaさんと同じHNの人がみえるようだ。
 
 持ってきたミニスコップで雪に溝を付けてテーブルを作って、昼食会場とした。掘り返すと、雪の下から、すぐにササが現れた。syunさんからワインが、のびたさんからは熱燗が回ってきた。びっくりしたのは、むっしゅ〜さんが持ってきた巨大な1.5リットルのシャンペン。次回は2リットルの焼酎を持ってくるとか。3人ともかなり飲めそう。katakuriさんをはじめ運転手以外の人が酒盛り開始。
 
 料理もスタート。今回のメニューも豪華。kayakuriさんのブロッコリーたらこパスタと豚汁、BOGGYさんのナポリタン。おでんは3人のうちのどなたか。syunさんの赤飯おにぎり、ジオンさんとラブさんの鍋、和たんの焼き餃子。油を忘れたのに、うまく焼けていた。我々は、忘年会で講評だったタコ焼きとネギいっぱいの卵入りフカヒレ雑炊を作った。定番の燻製を回したところ、syunさんから、「また、くんせい」と・・・makotoさんの影響と見たが・・・。(^^) ジオンさんが包丁で手を切るというハプニングも。コーヒーと和たんからのどらやきで虎子山山頂雪上レストランは幕となった。
 
 帰路は同じ道を下る。正面に伊吹山を見ながら、ヤブを抜け、滑りやすい急斜面を慎重に下った。思ったより傾斜がきつい。ゆるんだ雪で転倒者続出。ブルさんは途中でストックをピッケルに交換。国見岳や伊吹北尾根を目の前に、全員、一気に国見峠まで下って休息。休憩ごとにタバコで一服する人はsizukaさん+3人。
 
 国見峠からは、美しい風景を見ながら、早い人、遅い人、ばらばらになって駐車場まで下りた。靴を履き替えて、解散する直前に、朝、syunさんが犬に足を噛まれたことを知る。クマでなくよかったが、とんだ災難。ジオンさん同様、軽傷で一安心。むっしゅ〜さんとsyunさんには相互リンクをお願いし、またどこかでご一緒できることを楽しみにして、別れた。
 
 それにしても、今年の正月の雪は少ない。ワカンはザックに付けたまま下山した。残念ながら「白馬の騎士」の出番は次回に。雪が降って雪庇ができた虎子山にもう一度登りたいものだ。この山は、峠から稜線上をたどるという、比較的単純なコースであるが、積雪も多いことから、天候の良い時に、万全の装備で登られたい。山頂からの180度の展望は一見の価値がある。
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