トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

取立山 (1307m 福井県) 2014.8.13 くもり 2人

駐車場(9:29)→大滝(9:58)→渡河(10:17)→稜線(10:45)→こつぶり山山頂(11:20)→避難小屋(11:34)→取立山山頂(11:53-13:04)→駐車場(14:09)

★8月13日に福井県の取立山に登って来ました。
★「いこいの森」の奥にある登山口をスタート。
★大滝コースに入り、大滝を見て滝谷を渡り、稜線に出ました。
★前方にこつぶり山や取立山を見ながら、気持ちのいい稜線を歩き、急登を経てこつぶり山山頂へ。
★山頂から滑りやすい赤土の斜面を下って、避難小屋から取立山山頂へ。
★曇り空で、白山は見えませんでしたが、気持ちのいい山頂で昼食を楽しみました。
★帰路は山頂から西へ尾根を下りました。
★夏の花を見ながら、変化に富んだ山歩きを楽しんで来ました。


 お盆の休みは、長野県の夏山を計画したが、今年は異常気象続きの天候不順。かろうじて13日に北ほど天気がいいことから、日帰り登山に変更して福井県の取立山に登ることにした。以前から登りたいと思っていた山である。

 東海北陸自動車道の白鳥ICから中部縦貫道に入り、九頭竜湖畔を西進し、勝山市から国道157線を北上。木根橋トンネルを抜けて、左にカーブして、北に向きを変えた辺りで、右に東山いこいの森に向かう道が現れる。国道を離れてこの道に入り山道を登っていくとキャンプ場に入る。

 道路脇のトイレに寄って、さらに先へ進む。キャンプ場を抜けて、山道をぐんぐん登っていく。かなり登ったところで未舗装の大きな広場に出た。ここが取立山登山口の駐車場である。ミズバショウの咲く時期には満車になるに違いない。今日は2台の車があるだけだった。この暑い時期に登る人は少なく、駐車料金も不要だった。
 
 登山口の横に公衆電話ボックスを活用した登山届け箱があり、所定の用紙に記入して提出。靴を履き替えていると軽トラックが到着し、男の子とお父さんの二人連れが身支度を始めた。挨拶して、登山口に向かう。登山口には大きな案内図があり、コースを確認する。取立山は周回コースが整備されており、今回は右回りで、まず大滝コースを歩くことにした。看板の後ろに分岐点があり、大滝まで1kmの標示に従って、左に向かう。

 オトコエシの白い花を見ながら、よく踏まれた水平の道を歩く。人工林を抜けて右に向きを変えていく。右山でヒメオトギリソウやヤマホトトギスの花を見ながら歩く。ヒラヒラとコミスジが飛ぶ中、草付きの階段を登り、小さな水の流れを渡る。ソバナやシシウド、ツリフネソウなど次から次へと花が現れて退屈しない。左が見渡せるところがあり、北へ続く国道157号線が見えた。

 左の谷に落ちないようにロープの柵が張ってある道を行くと、谷が狭まり、ぬかるんだ道が続く。オタカラコウの群落を過ぎると、左前方に滝が現れた。大滝である。下り坂となり滝に向かう。ぬれた岩肌には散り始めたイワタバコの花が張り付いている。登山道を外れて滝つぼの近くまで行ってみると、水しぶきがミストのようになって、ものすごく涼しい。後方からやって来た親子と入れ替わるように、滝を後にした。

 道は一転して様相を変える。アカソやアザミが茂る濡れた岩場を、ロープを掴んで登ると目の前に小さな滝が現れ、折り返すように向きを変えて再び急な岩のロープ場に取り付く。上から学生と思われる男性4人が降りてきた。ズボンが泥だらけで濡れている。かなりの悪路を歩いてきたらしい。山頂からの展望はいいと教えてもらった。

 岩場を登り切って、草の茂る谷沿いの道を歩く。朝露でズボンが濡れる。谷をかなり登り詰めたところで、渡河。飛び石を渡ったが、増水時には渡れないかもしれないような場所である。渡河したところで、道は左に向きを変える。標識には取立山まで2.4kmとある。大滝からは500mの地点である。ここから右山で谷を離れるように登っていく。
 
 400mほど歩いて折り返すように向きを変え、左山で登る。前方に親子の登山者が見える。ジグザグと歩いて、稜線に出た。すばらしい展望が広がる。東へ真っ直ぐ続く稜線の道の向こうには、こつぶり山のピークが望める。右に見えるなだらかな山が取立山のようだ。稜線の道は広く、周囲に高木が無く、気持ちがいい。ここで小休止。こつぶり山から下りてくる登山者もある。
 
 草付きの丸木階段を登って、潅木帯の中を歩く。足元にはマイヅルソウの葉が続く。小さな実はこれから赤くなるところ。稲妻型に折り返す辺りまで登ると展望が開け、今歩いてきた稜線の道が見える。蕾を付けたオヤマリンドウが自生するなだらかな道を行くと広場が現れた。「こつぶり山・1264m」と書かれた板が置いてあり、これを掲げて写真を撮った。広い山頂であるが、周囲に潅木が茂り、展望は今一つである。

 すぐに山頂を後に、急な赤土の坂を滑らないように下っていく。アカモノの赤い実が見られた。下り切ると、ミズバショウ群生地への道が左にある。群生地には寄らず直進するとすぐに大きな避難小屋がある。この建物の横を通って、小さな谷川を渡り、南へ歩いていくと、明るい道に出た。正面には取立山の丸い山頂が見える。
 
 時計回りに歩いて、ススキやササの道を一気に登って取立山山頂に到着。曇り空で時折日が差す山頂からは、東方向の展望がすばらしい。残念ながらモヤって、遠望は利かないが、赤兎山や経ヶ岳などが望めた。山頂には2人が昼食中。その後、登って来る人は僅か。この時期に訪れる登山者は少ない。木陰が無い山頂で、ササの僅かな陰を見つけて昼食をとった。メニューはツナチャーハン。いつものようにコーヒーで締めくくって、ゆっくりと昼食を楽しんだ。
 
 帰路は西への尾根を歩く。尾根に咲くアザミやヨツバヒヨドリに集まるミドリヒョウモンやサカハチチョウを見ながら軽快に歩く。南にはやや霞んでいるが、経ヶ岳が見える。この辺りも足元にはマイヅルソウが続く。樹林帯に入り、広い林道のような道を下る。この道が実に単調で変化が無い。折り返しながら、前方の登山者を追いかけるように下る。山頂から1時間ほど下ったところで草の生えた林道に出た。そしてすぐに駐車場に着いた。

 周回コースは実に変化に富んだ山歩きができ、特に登りに利用した大滝コースは、谷歩きと尾根歩きがあり、また花も多い。下山に利用した取立山山頂から西へのコースは、単調なルートである。大滝コースはロープが設置された岩場があり、登りに使ったほうがいい。次回は、ミズバショウが咲く旬の時期に登りたい。
★取立山の動植物


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