鳩吹山〜継鹿尾山
鳩吹山〜継鹿尾山 (314m・273m) 2004.9.4 晴れ・曇り・雨 3人

カタクリ群生地駐車場(10:03)→小天神(10:25-10:36)→鳩吹山山頂(10:50-10:53)→西山手前・石原登山口分岐点(11:33-13:19)→せせらぎルート分岐点(13:35)→鉄塔下(13:39)→大平山分岐点(13:53)→大平林道横断・石原登山口(14:09-14:30)→善師野分岐点(14:38)→継鹿尾山山頂(15:21-15:52)→鳥居(16:01)→寂光院最上部(16:10)→寂光院駐車場(16:19)

 この休みに、一昨年、野谷荘司山でクロス登山をした同じ町内のHARUさんと恵那山に登る予定にしていた。ところが、南に下がった秋雨前線が北上し、天気は下り坂。恵那山はあきらめ近場の低山に変更。前から歩きたかった鳩吹山を縦断することとした。天気予報は曇り後雨。曇りなら低山でも暑くはないであろう・・・。

 HARUさんの車と2台で出発。まずは、各務原鵜沼から木曽川を渡り犬山へ。名鉄犬山遊園駅北の橋を渡ったすぐの信号機を左折し、名鉄線の踏切を渡って木曽川沿いに走る。尾張パークウェーの信号機を過ぎ、寂光院の看板に従って右の山の中に入ると寂光院の入り口に出る。入り口に数台の駐車場があり、一台も停まっていない。ここが下山地点となるので、HARUさんの車をデポ。

 寂光院の東の大平林道を通って可児市に抜けようと思ったが林道入り口のゲートは閉鎖されている。後に、このゲートは土・日曜日に閉鎖されていることが分かった。やむを得ず、一旦戻って坂祝町経由で可児市を目指す。大脇登山口、真禅寺登山口を回ったが、どちらも駐車場は満車状態。このためカタクリ群生地から登ることにした。この駐車場はガラガラ。カタクリの時期以外、駐車場の簡易トイレは無いので注意。

 午後から雨の予報のため、ストックの代わりに雨傘を持ってスタート。橋を渡ってカタクリ群生地手前から山に取り付く。緑の中、紫色のヤブランの花や大きな白いキノコが目に止まった。小天神までは20分ほどだが結構な急登。風もなく蒸し暑さで汗が落ちる。この調子では先が思いやられる。小天神の東屋で小休止。木曽川や可児市の市街地が望めたが、遠方の山は霞んで見えない。

 小天神から左に大脇口への登山道を見ながら、前方にアンテテナの立つ鳩吹山を目指す。雲は多いが雲間から差す陽に照らされて、風がないこともあり、とにかく暑い。汗をかきながら鳩吹山山頂へ。山頂で記念撮影。ここから、前方に西山を見ながら展望のいい斜面を下る。左奥にかすかに見える山容が継鹿尾山のようだ。なんと遠いことか。

 西山へは3つほどのピークを越える。通常ならなんでもない登りだが、この暑さの中、これが結構きつい。当初予定していた一休さん・西山経由を変更し、西山南の東屋のあるピークから石原登山口へのコースに入ることとした。少し時間短縮できる。頭上は雲が切れ、青空が広がってきた。曇りのはずだったのに・・・。東屋までの斜面はシャリバテと暑さでヘトヘトで登った。東屋で休息していた登山者から、「大きな荷物ですね」と声をかけられ、「訓練です」と答えた。夏山の装備そのままのザックに食材をいっぱい詰めてきたので御嶽山の時よりも大きい。

 11時半でもあり、昼飯にする。石原登山口への分岐点の木陰でザックを下ろした。この場所は昨年の12月にHP管理人さん大集合登山で昼食をとった同じ場所である。HARUさんは野菜入りドテ鍋、ウチはギョウザ鍋。この暑いのに鍋とは・・・。それぞれ取り分けて食べた。久しぶりの鍋が美味しい。HARUさんの畑で採れたナタマメのサラダもうまい。巡視してみえたパトロールの方から「火には注意してくださいね」と声をかけられた。この暑い時期のパトロールには頭が下がる。

 昼食の間、多くの登山者と挨拶を交わした。オールシーズン、人気の山だ。西から登ってきた人も何人かみえた。皆さんに聞くと、石原登山口から登って来たとのこと。地図で確認したが、石原登山口がどこか分らなかった。

 昼食後、元気を取り戻して、いよいよ初めてのルートに入る。まずは、急坂を真っ直ぐ下り、登り返す。この先、所々に林野庁の境界見出票と赤いコンクリート柱が現れる。なだらかな尾根を歩く。潅木の切れ間から右前方に金比羅山が望めた。途中、鉄塔巡視路であろうか、いくつかの枝道が派生しているが間違えるようなことはない。

 送電線が見え始め、鉄塔巡視路表示のある分岐点を通過。右への道には小さな板切れの表示があるが読めない。遊歩道という文字がかろうじて読みとれた。この分岐から5分ほどでせせらぎ遊歩道の分岐点を通過。寂光院は直進の表示。左手にも薄い踏み跡があり、入り込んでみたが行き止まりで、たいした展望もなかった。

 この尾根道にはたくさんのキノコが見られた。足の大きさほどもある褐色のキノコや赤い大型のキノコが多い。赤いキノコは後で調べてみるとベニイグチと思われた。このキノコは食べられる、食べられないと議論しながら尾根を歩くとすぐにY字分岐。左は鉄塔巡視路。右へ行く。痩せたアカマツの道をゆるやかに下ると前方に鉄塔が見え始めた。すぐに鉄塔下を通過。ここからの見晴らしは良く、左には大きな団地が望める。

 なだらかな道から少し下り再び前方に鉄塔。右の大きな山は大平山であろうか。石原登山口500m20分の標識を通過し、あいかわらず展望のない尾根を歩くと、大平山への分岐点を通過。チャート岩盤の坂を下るところで前方の山が見えた。継鹿尾山は左奥に見える山のようだ。まだまだである。頭上には電線。地図を確認すると大平林道までは後少しのようだ。

 林道は標高151m。かなり下るはずだが・・・。そのとおり。犬山の表示のあるところからほぼ直角に左へ曲がると急な下り坂。半端ではない。滑らないように慎重に下る。左にはロープが張られている。三方崩山の急坂を話題に下る。この坂を登るのはきついだろうと思っていると、下から外国人の大柄な単独男性がダブルストックで大股で登ってくる。この豪快な歩きに見とれ挨拶を交わす。日本語が通じた。

 ほぼ下りきってクランクするところで再び大平山への分岐点を通過。大きなアカマツの林にはツクツクボウシの蝉時雨。そして右への分岐。さて困った。表示は鉄塔巡視路の黄色いプレートのみ。踏み跡も同じくらいだ。ああでもない、こうでもないと言っていてもしかたがないので、直進を選んだ。

 すぐに突然、アスファルトの林道に出た。林道右50m先の峠らしきところに表示板。先ほどの迷った分岐を右に行けば峠に出る。峠まで登りザックを下ろす。路面は先日の台風の落ち葉で覆われていた。アケビのツルに隠れて石原登山口の表示。ここが石原登山口ということが分った。登って来た皆さんは車をどこに置いてあるのだろうか。行きにゲートの閉まった林道はここに繋がっている。看板に土・日曜日は林道閉鎖と書かれてあった。おそらく南側のゲート辺りに車を止めて登ってみえたのではないだろうか。

 アスファルトの上に座り込んでお菓子タイム。いつしか曇り始めた空から雨が落ちてきたが、すぐに止んだ。天気予報は当たりそうだ。鳩吹山方面からの単独男性と出会った。聞けば電車でみえたとのこと。名鉄可児川駅を起点に縦走して犬山遊園駅までのルート。車を2台用意することもなく、このルートは電車向きかもしれない。

 さて、ここまでは比較的大きなピークもなく順調に歩いてきたが、この先、どんな道があるのか。かつて、寂光院から継鹿尾山に登ったことがある。継鹿尾山山頂からその先の登山道を見下ろして、急な階段が遥か下まで続いていたことが思い出された。後、1時間もすればこの記憶が現在に繋がる。そんなことを思いながら、腰を上げた。

 林道から西の斜面を登り谷らしき地形を越えてすぐに大きな鉄塔を左にやり過ごす。ここは東海自然歩道になっており、道は広い。赤土のガレ道を下ると善師野への下山ルートを左に見る。右側には何本ものサツキが植えられていた。この先に車止めのような人工物と丸木の登り階段が続く。登りつめて下りベンチを通過。ピークの登り下りが続く。さすがに、バテてきた。ちょっとの登りでもスローペース。登りつめて次のピークの道が見える。おまけに登りは段差のある丸木階段。これでもかとピークが続く。「もう2度と夏の里山には登らない」とHARUさん。昨年の向山縦走を思い出した。あの時、我々も夏の里山には登らないと思ったのだが・・・。

 雨が降り始めたので、ストック代わりの傘をさす。雨が嬉しかった。右に八木三山が見え始めた。愛宕山の三角形がきれいだ。本格的に雨が降り始めたため、岩のある尾根でザックカバーをつける。待望の雨が気持ちいい。岩の上からは八木山北尾根もよく見える。継鹿尾山はまだなのか、さっぱり検討がつかない。再び、だめ押しのとんでもない急な丸太階段が立ちはだかる。花の終ったノギランを見ながらゆっくり登る。犬を連れた夫婦とすれ違った。

 先頭から「三角点あるよ」の声。登りつめれば大きな木造の休憩所。二等三角点がある。継鹿尾山だ。着いた。この先、もう登りはない。あの時、見下ろした急な階段はこの道だった。新しい休息所に上がり、ザックを下ろす。西から強い風が吹き抜け、実に気持ちがいい。雨が休息所の半分ほどまで降り込んでくる。西は大展望。雨に霞む犬山市街。モンキーパークの観覧車の向こうに木曽川。伊木山が美しい富士山となっている。

 冷えた杏仁豆腐とミカンが美味しい。ゴールを祝ってコーヒーを沸かした。強風でパーコレーターが転倒するハプニングもあったが、涼しい風の中で飲むコーヒーがこれまた美味しかった。単なる里山歩きであるが、大きな充実感を感じた。満足だった。

 雨の中、山頂から丸木階段を下り、10分ほどで鳥居を通過。水道施設であろうか、コンクリートタンクを過ぎ寂光院最奥の建物前に出た。ここから、参道の長い階段を下り駐車場に着いた。締めくくりも美しいヤブランが迎えてくれた。HARUさんの車で、雨の中、再びカタクリ群生地まで戻り、また一緒に山歩きに行こうと約束して別れた。

 念願の鳩吹山縦断。この時期には暑くハードな山歩きとなったが、大満足。次回は取り残した大平山が待っている。涼しい時期に登ろう。
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