トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平22業使、第490号) 

継鹿尾山<西南尾根コース>  (273m 愛知県) 2011.12.25 雪 2人

伏屋集落北林道入口(10:18)→登山口(10:56)→継鹿尾山山頂(11:22-12:44)→善師野駅分岐点(13:18)→ため池北分岐点(13:29)→林道入口(13:36)

★12月25日に愛知県の継鹿尾山に登ってきました。
★今回は西南尾根を登って善師野に下る周回コースを歩きました。
★強い冬型の気圧配置で雪が降るあいにくの天気の中、善師野の伏屋集落の山沿いに駐車してスタート。
★降りしきる牡丹雪の中、名鉄広見線・小野洞砂防公園に沿って歩き、尾張パークウェイ旧料金所付近の登山口から山道へ。
★雪が降る中、なだらかな道から直線急登へ。美しく雪化粧した登山道を登りました。
★急斜面を登り切ると、気持ちのいいなだらかな尾根歩き。そして山頂へ。
★山頂の展望台の軒下でランチ。この天気でも4パーティに出会いました。
★帰路は東海自然歩道を、いくつかのピークを超えて鳩吹山方向へ。
★雪は降り続き、美しい雪景色に感動の連続。
★稜線を離れて、善師野方向に下り、ため池を経由し車まで戻りました。
★これほどの大雪は想定外。里山とは思えないすばらしい雪山を楽しんできました。 

 今年の登り納めは連休最終日。雨が降っても雪が降ってもどこかの山に登ろうと決めていた。本格的な冬型の気圧配置となり、連休は大雪の天気予報。南の方向で、傘をさして登れる山を探し、継鹿尾山に決めた。継鹿尾山は何度も登っているが、今回は善師野を基点に西南尾根を登る周回コースを歩くことにした。

 自宅を出る頃、雪がチラチラと降り始めた。この程度の雪なら問題は無いと犬山に向かう。寂光院手前の信号を南に曲がり、次の信号を左折。すぐに寂光院方向に左折、再びすぐに右折。突き当りを左折して山沿いの道を上る。山沿いの道は狭くなり、さらに進むと直角に右に曲がって尾張パークウェイに架かる橋を渡る。この直角の曲がり角が継鹿尾山西南尾根の登山口である。
 
 この付近に車を止めてもよいが、山頂到着の時間を昼食の時間に合わせるためには、下山口付近に車を止めて、先に道路を歩いたほうがいい。尾張パークウェイを渡って小野洞砂防公園を通過し、名鉄広見線の北側を東進。善師野駅手前から北に向かって伏屋集落を抜け、未舗装の林道奥へと車を進めたが、左に大岩があるところで悪路となり行き止まりとなった。すぐ上にはため池がある。ここが下山地点であることが分かったので、Uターンして林道入口に車を止めることにした。車で林道を下る途中で大勢の登山者とすれ違った。善師野駅から歩いて継鹿尾山を目指す団体さんのようだ。
 
 林道の入口に車を止めた。いつの間にか激しく牡丹雪が降っている。車の中で靴を履き替え、ジャケットを着て、傘をさして出発。今、車で走ってきた道を歩く。伏屋集落に入る手前で木曽街道一里塚旧跡の石柱と小さな石仏がある。集落に入ると、宿場を思わせる建物が見られ、木曽街道禅寺野宿場概念図の案内板もある。

 集落を抜け、広見線の踏み切り手前で西に向きを変え、尾張パークウェイの高架を潜り田園の一本道を歩く。雪は降り続き、水田は見る見るうちに白くなっていく。遮断機の音を掻き消すように白い電車が雪の中を走っていく。これから登る継鹿尾山は降る雪で全く見えない。田園を抜け、突き当たりを北へ。青い鉄橋を渡って、左に池や砂防公園を見ながら坂を登っていく。傘にすぐ雪が積もるので落としながら歩いた。突き当りを道なりに左へ曲がり、公園のトイレに寄って、尾張パークウェイを渡り、法面にある登山口から山道に取り付く。
 
 すぐに分岐点が現れ、ここは右へ。木に「継鹿尾山右回りコース」と書かれたプレートがくくりつけてある。左の道はどこに繋がっているのだろうか。明るいなだらかな道を歩き、左方向に向きを変えていく。雪は小降りになったが、先ほどの雪で周囲の木々は真っ白。北に向きを変えたところから急傾斜の一直線の道となる。標高差80mほどを一気に登る。
 
 雪をかぶったコシダを分けながら登っていくと、チャートの岩場に出た。滑らないように岩場をこなす。晴れていればすばらしい展望地であるが、今日、視界はわずか。再び雪が激しく降り始めた。急斜面を登りきると道は右に向きを変え、アカマツの多い尾根を、傘を差して歩く。灰色の空、雪をまとう白い木々、モノクロの世界に青いザックカバーが映える。すばらしく美しい。とても標高300mに満たない山とは思えない美しさに写真を撮り続けた。雪の重みでマツの枝が垂れ下がっており、枝を傘で押し上げながら歩いた。
 
 ススキの道を抜けると、前方から話し声が聞こえてきた。継鹿尾山山頂に到着。東屋が現れ、大勢の登山者がちょうど着いたところ。林道ですれ違った団体さんだった。展望台の東屋は風で雪が吹き込んでおり、床には雪が積もっていた。団体さんはすぐに犬山駅方向に下っていかれた。
 
 展望台からの展望はゼロ。西風が吹いて展望台の中まで雪が舞い込んでくる。誰もいなくなった山頂で昼食にする。展望台の入口脇の軒下が最も雪が落ちてこない場所であり、ここにシートを敷いて昼食場所を作った。メニューはおでんラーメン。ラーメンの中におでんを入れるという新メニュー。ガソリンストーブで作る熱々のラーメンがおいしい。時折、風が吹き、目の前の松の木から雪が落ちてきた。

 食事をしていると、東から4人の若者が登ってきた。我々と同じように軒先でランチタイム。皆、寒さで震えながら食事をしていた。かなり濡れている人もいる。固形燃料のストーブに火をつけるのに苦戦していた。聞けば、大脇から登ってきて、この後、犬山へ下るとのこと。マラソン系のサークルのメンバーで走って登ることもあるという。コーヒーを飲み終わる頃、単独男性が到着。こんな天気でも登ってくる人が多いのに驚いた。

 帰路は東へ下る。山頂の東は、継鹿尾山名物の丸木の急階段。長い階段を滑らないようにゆっくり下る。頭上は雪のトンネル。気温が低いので雪が落下してくることはない。鞍部まで下って登り返し小さなピークを通過。降り続く雪の中、展望地を歩くが、視界はほとんど無い。

 左方向に向きを変え、広い道を下る。これから歩く前方の尾根が微かに見える。ベンチを通過し、ピークを越えて再び丸木階段を下る。この辺りもコシダが多い。下りきると鞍部に「善師野駅 2.8km 1:00分」の標示があり、今度は丸木階段の登りとなる。山頂から3つ目のピークを通過。ソヨゴの赤い実を見ながら、下りきって、4つ目のピークに向かって再び丸木階段を登る。4つ目のピークには歩行中禁煙の標識があった。
 
 丸木階段を下っていくと右に鉄塔巡視路があり、踏み込んでみるとすぐに鉄塔を囲む金網に突き当たった。引き返して車止めのような柵の横を抜け、左前方に鉄塔を見ながら歩くと、善師野駅への分岐点があった。ここから稜線を離れて右へ下る。すぐに三叉路に出るが、ここは右の愛知県コースへ。左は恵那コースや東濃コースという標示になっている。
 
 広い道を下っていく。空が明るくなり、一時、雲間から太陽が望めた。標高が低くなったことから、気温も高くなり、頭上の木から雨のように水滴が落ちてくる。右に鉄塔巡視路の道が上がっており、この道をたどれば先ほどの鉄塔に行けそうだ。わずかではあるがショートカットできる道である。

 真っ赤なフユイチゴを見ながら歩くと、ため池が見えた。ため池の北側には分岐点があり、東の林道を下れば寺洞集落に至る。駐車地点はため池の下流にあるため直進する。大岩を見ながら林道を下って車まで戻った。歩いている間、雪が止むことは無かった。

 雪の日に登る里山は美しい。いつもの継鹿尾山とは違う継鹿尾山を楽しむことができた。このような天気でも、4パーティに出会った。雪の里山の美しさを求める登山者が多いことがよく分かる。歩いた道を車で戻り、善師野を後にした。
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