トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号) ※地図には立石林道が記載されていません。
鷲ヶ岳 (1672m 郡上市) 2009.9.13 晴れ 11人
桑ヶ谷林道終点駐車場(9:07)→スキー場分岐点(9:43)→立石林道横断(9:49)→いっぷく平(9:52)→林道合流(10:02)→林道終点・登山口(10:06-10:16)→鷲ヶ岳(10:54-12:58)→林道(13:23)→いっぷく平(13:40-13:55)→駐車場(14:32)
【参加者】ミツルさん、カッペさん、葵のMさん、内ちゃん、sizukaさん、楽遊Sさん、ベッカムさん、yabuさん、ayameさん、RAKU、らくえぬ
鷲ヶ岳は岐阜県の主要な山でありながら、未だに登っていない山の1つであった。というのも、近年、山頂直下まで林道が整備され、簡単に山頂を踏むことができるようになったことから、なかなか登る気にならなかった。この鷲ヶ岳がカッペさんのオフ会登山で計画されたのを知り、こういう機会がないと登れないとことから、すぐに参加表明。オフ会に参加するのは、今年の初日の出登山以来である。
前日、カッペさんから「林道利用の軟弱登山です。時間には余裕があるので、別行動もOK。」と携帯メールが入った。「長く歩きたいけど、お任せします。」と返信。参加者は11人と大勢になった。集合場所に集まると、今日のコースをカッペさんやミツルさんが検討中だった。当初の計画では、立石林道を山頂直下まで車で上がり、40分ほどの歩行で登頂することになっていたが、我々の「長く歩きたい」というメールにより、急遽計画変更して、ミツルさんが最近歩いた桑ヶ谷林道コースに変更。楽々登山とは言えなくなり、参加者の皆さんには申し訳ありませんでした。
久しぶりのメンバーが到着。皆さんの山歩きはブログを拝見しており、久しぶりに会った気がしないのが、オフ会のいいところ。葵のMさんや内ちゃんは1年以上のブランク。yabuさん、ayameさんも鷲ヶ岳が初めてということで参加。一番若いベッカムさんが腰にコルセットを巻いての参加。腰を痛めた後のリハビリ登山で、荷物も超軽量。猿の惑星のようになった楽遊Sさんや集合場所を勘違いしたsizukaさんも到着し、久しぶりの出会いに話がつきない。
全員が揃ったところで出発。東海北陸自動車道の高鷲ICを下りて、やまびこロードに入り、鷲ヶ岳スキー場を目指す。スキー場に入ってすぐに右の道に入り、林道走行となる。通行止めの看板から右に入り、突き当たりを左へ、そして右へと、ミツルさんの案内で車を進める。未舗装の悪路で、排水用の溝がいくつかあり、ここを通過する際、170mmの車高でも1・2度路面で腹を擦った。しかし、今年、高時山に行ったときの木曽谷林道に比べれば路面の状態はいい。この林道を上がってくる普通車も何台か見られた。
かなり走って、林道終点に到着。終点には2つの駐車スペースがあり、10台は駐車可能。上のスペースがいっぱいだったので、下段の草地に駐車。駐車台数から見ると人気のある山のようだ。本日のお目当ての花はアケノボソウ。林道走行中に車窓からアケボノソウが見られたが、この駐車場にもたくさんのアケボノソウがあり満開。まずは花の写真撮影。その後、身支度をして出発。山頂へは東へ延びる林道跡を辿る。
ツルニンジンの花を見ながら、草つきの林道を歩く。左の溝には水が流れ、周囲はスギの幼木が植林されている。この辺りにもアケノボソウがいくつか見られ、ハンゴンソウやゴマナなど秋の花が続く。やがてササが現れ、人工林から天然林へ。廃道になった林道であり、勾配は緩やか。おしゃべりしながら歩く。石がごろごろしたS字カーブを通過し、40分ほど歩くと後方が開け、展望のいい場所に出る。後方には白鳥町の田園が見下ろせ、毘沙門岳や大日ヶ岳が美しい。右手前方には伐採された山肌の向こうに林道が見え、格好のいいピークが望めた。形から見てこれが鷲ヶ岳だと思い込んでいたが、このピークは鷲ヶ岳の南のある1653mの山であることが後に分かった。
すぐに鷲ヶ岳スキー場、ホワイトピアスキー場への分岐を左に、ササに囲まれた道を前方のピーク目指して登ると、丸木階段が現れ、未舗装林道に飛び出した。立石林道である。西側の展望がすばらしい。林道の反対側に鷲ヶ岳登山道の標示があり山道が続いている。ミツルさんは前回この山道を歩いており、この先で再び林道と合流するとのこと。9人は林道を歩き、我々2人だけがこの山道を歩くことにした。
ゴマナの咲く道を登っていくとすぐに林道と合流した。ここがいっぷく平と呼ばれる場所だった。小さなトイレと思われる建物と駐車場があり、さらに階段の上にはお社があった。お社には藤原頼保公顕彰堂の由来が書いてある。今から860年前に藤原頼保公がこの付近で鷲退治をしたことによる顕彰堂とのこと。お社の横には石碑があり、「村の名の由来となりし鷲退治 祠にまつりて代々に伝える」と記されている。高鷲村の由来であり、またこの山の名前でもある。
林道を歩いたメンバーがこの林道に上がってくるものと思い、少し待っていたが一向にその気配が無いので、先に進む。石碑からは正面になだらかな山が見えたが、この時点でもこの山の左にあるピークを鷲ヶ岳と思い込んでいた。後になって正面の山が鷲ヶ岳であることを知り、石碑と鷲ヶ岳がファインダーに入り込む構図になっていることが分かった。前方に林道の切り開きの法面が見えたのでいっぷく平を下り、真っ赤な実を付けたナナカマドの大木を見ながら、丸木階段を登って1つ、2つとピークを越える。ピークからの展望がすばらしい。急な丸木階段を下る。ステップが小さく、また土が流出していることから下りにくい。下の林道には我々を待っている9人が見えた。
林道に下りると内ちゃんからチョコレートをいただく。林道が整備される前は、今歩いてきた稜線の道が登山道だったようだ。林道を5分ほど歩くと、林道は終点となり左側に鷲ヶ岳への丸木階段が続いていた。ここで一服。林道の法面の見慣れない花はシオガマギクだと教えていただいた。帰って調べてみると花の付き方から、同じ仲間のトモエシオガマではないかと思われた。
10分ほど休憩して丸木階段に取り付く。ホツツジやガンクビソウの花を見ながら一気に丸木階段を登りきってなだらかに歩き、右方向に山を巻くと登山道脇の岩にダイモンジソウがたくさん見られた。高い位置に咲いているので写真が撮りやすい。ここでも撮影タイム。道は左に向きを変え、右山でトラバース。西側の展望が得られ、先ほど通過したいっぷく平や林道が見える。
トラバースを終えると、ブナ林の中に一直線の急階段が現れた。ここも土が浸食されて丸木が浮き上がっており登りにくい。一歩一歩、丸木を踏んで登り切ると水平な道となり、前方にはなだらかなピークが現れた。そのピークに向って再びササの中に階段が続く。急階段を登り切ると、「←藤原頼保公記念堂」の標示が現れた。左にヤブに覆われた道があり、これが一色スキー場コースだとミツルさんに教えてもらった。かなりのヤブをこぐルートのようだ。
ここから1分も歩かないうちに、大勢の登山者で賑わう山頂に着いた。もう1つ向こうのピークが鷲ヶ岳だと思っていたこともあり、びっくり。狭い山頂の中央には三角点があり、その横に方位盤があった。三角点を囲んで20人ほどが昼食中。ほとんどがみのハイキングクラブの皆さんでした。
天気予報よりも雲が多く、遠望は得られないものの、鷲ヶ岳から続く稜線の先の白尾山は目の前。反対側の眼下には見当山も見える。その向こうには大日ヶ岳、毘沙門岳。さらに野伏ヶ岳も見える。展望を楽しんでいる間にランチの準備が始まっていた。
南側にシートを敷いて、久しぶりの山頂宴会。ミツルさんの砂肝のバター炒め、サンマのフライパン焼き、シチューといつものように豪華メニュー。ayameさんからは、yabuさんの手作り燻製チーズ、シーチキンに生野菜と海苔に白御飯など。内チャンからはホタテ入り蒲鉾など酒のおつまみ。我々は、穴子の干物、焼き餃子にカレーピラフ。思い出せないほど多くの品目が並び、周りの人もびっくり。久しぶりの山頂宴会はいつものように2時間に及び、いろいろな話題が尽きない。
全員で記念写真を撮って下山開始。急階段で内ちゃんが足を痛めたものの無事林道まで戻った。帰路、いっぷく平への舗装道路を登って顕彰堂前で一服。顕彰堂の中をよく見ると、弓を引く藤原頼保公の像があり、その矢の先には鷲がいる。鷲退治の一場面のようだ。いっぷく平からの下山時に駐車場の一角にある建物に寄ってみるとトイレだった。利用した女性軍の感想は「怖い!」とのこと。一枚板に穴が開いているだけの構造のようだ。いっぷく平から30分ほどで駐車場まで戻った。
立石林道が整備されたことで鷲ヶ岳は簡単に登れる山となったが、今回のように桑ヶ谷林道を利用すれば本格的な山歩きを楽しむことができる。春の花の時期や紅葉の時期にも登ってみたい山である。そして、久しぶりにオフ会を楽しむことができた山歩き。参加された皆さんに感謝。
★鷲ヶ岳からの展望
★鷲ヶ岳の植物
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