綿向山 (1110m 滋賀県) 2004.11.14 晴れ 15人
駐車場(9:08)→林道終点・表参道登山口(9:21)→1合目(9:39)→2合目・鉄塔(9:49-9:58)→3合目・林道合流(10:07)→4合目(10:20)→5合目・小屋(10:28-10:35)→7合目・行者コバ(10:49-10:55)→水無山分岐(11:03)→綿向山山頂(11:20-13:05)→祝岳分岐(13:15)→917mピーク(13:57)→オンバノフトコロ(14:13-14:23)→鉄塔(14:24-15:00)→竜王山(15:12-15:20)→林道合流・竜王山登山口(15:37)→西明寺(16:00-16:15)→西明寺口バス停(16:30)→駐車場(16:36)
【参加者】makotoさん、sumireさん、悶次郎さん、たけさん、白影さん、ジェリーSさん、kayoさん、ASAKOさんご夫妻、らぶさんご夫妻、和たんさん、すずっちさん、RAKU、らくえぬ
数年前に滋賀県を訪れたとき、南にすばらしい山容が目に入った。道の駅でパンフレットを見ると山の名は綿向山。それ以来、この山が気になっていた。天蓋山オフ会終了時に、makotoさんから「11月14日に綿向山オフ会を企画していますので参加してください」との呼びかけ。昨年の鳩吹山のオフ会が思い出される。なんとか都合をつけて参加表明。メンバーはHP管理者と各掲示板常連の皆さんが名を連ねている。ネットでいつも拝見しているが初対面の方もちらほら。
8時30分に登山口近くの西明寺口バス停が待ち合わせ場所。makotoさんから教えていただいた道順を走った。名神高速道路を八日市ICで降りて、R421を右折し東進。R307の交差点をまた右折して南下。「新松尾」交差点を左折して、右手に日野町の役場を見ながら東進。左手山際に見えるオレンジ色の建物の集まりは農業公園「ブルーメの丘」。この辺りから左前方に見る綿向山は実に美しい。3つの峰を持ち、中央が綿向山。左が竜王山、右が水無山である。なお、「ブルーメの丘」へ入る道の少し手前の左手の田園の中にこんもりと木々に囲まれた神社があり、ここにトイレがある。
「ブルーメの丘」を過ぎ、「音羽」の信号交差点で左折する。この交差点には綿向山登山口の標識があり通り過ぎることはない。東北に3km弱を走らせると右手に小さな小屋のある西明寺口のバス停に着く。今回の待ち合わせ場所はここに8時30分。6時過ぎに岐阜市を出たが、7時50分頃に着いた。すでにmakotoさん、sumireさん、悶次郎さん、たけさんが到着していた。
車を降りて挨拶。makotoさんとは先月天蓋山でご一緒したところだが、sumireさんとは手力火祭り以来。元気で仲のいいご夫妻だ。たけさんとは1年前の鳩吹山オフ会以来。長靴姿がなつかしいが、今回は長靴ではない。悶次郎さんとは初対面。悶次郎さんのHPからしてかなりのベテランと思っていたが、一目で予想通り。悶次郎さんとたけさんから南アルプスの笊ヶ岳の話しを聞いてベテランのご両人であることを納得。
この辺りにはトイレがない。集合時間まで時間もあることから先ほどの神社のトイレまで戻ったが、一番近いトイレは竜王山登山口方向に1kmほど登ったところにある西明寺のバス停にある。この頃、大垣組は西明寺を集合場所と勘違いし、ここで待っていたというハプニングも。
トイレから戻って全員が集合。和たんさんは上高地以来。そんなに久しぶりの気がしない。kayoさんは金草山以来2度目。山行回数は多く格好も決まっている。らぶさんはタンポ以来。今回、らぶさんはご夫婦で参加。ご主人は無理に引っ張り出されたそうだが、これを機会にオフ会の泥沼にはまり込むか・・・。ASAKOさんご夫妻とは1年ぶり。鳩吹山オフ会が山歩きデビューであったASAKOさんご夫妻であるが、この1年、かなりの山を歩かれており、この意欲には感心せざるをえない。
すずっちさん、白影さん、ジェリーSさんとは初対面。とはいっても、初対面の気がしないのがオフ会のいいところ。明王山記帳ノート設置で有名な白影さんとはニアミスが続き、ようやくお会いできた。今年中にお会いしたいと思っていたところであり、やっと念願がかなった。今回の一番の若手はジェリーSさん。家が近くであることも分った。kuさんのイメージが重なったのは私だけかな。すずっちさんは今回参加の女性陣と同世代。山歴は5年くらいとお聞きしたが、ベテランの風格。ご主人とテン泊山行もされているそうだ。
今回の参加メンバーが管理しているHPは7つ。HP管理者でない方も各掲示板の常連さんである。クールなIT社会のホットな出合いはすばらしい。話しは尽きないのでとにかくすぐ先にある駐車場へ移動。駐車場は広く、未舗装ではあるが石灰で駐車位置が描かれていた。20台くらいは停められそうだ。身支度ができたところで、全員集合して今回のホストのmakotoさんが挨拶。「私向きの山です」とのダジャレはmakotoさん自身がフォローして笑い。元気が出た人、気が抜けた人、15人オフ会登山の幕が上がった。
駐車場入り口から左へ御幸橋を渡りすぐに左に曲がって田園から林の中へ。シカの被害を防ぐためヒノキの幼木は網で囲われている。山道からすぐに林道に出る。西明寺川を左に見ながら歩くと右手に接触変質地帯の看板が現れる。石灰岩が火山により変質した地帯との説明がある。ここから5分ほどで新しい小屋の前へ。雨の日にはうれしい施設である。ここで一休み。11月にしては暑いので、シャツ1枚になる。
橋を渡って、人工林に取り付く。急斜面の中、ジグザグの道が続く。ジグザグのため急登はなく足場も悪くない。快適に登る。1合目を通過。各合目ごとに標高と距離が書かれており、さすが表参道。この山も山岳宗教の山であり、この道が表参道と言われている。登りが苦手という和たんさん達と自然に2グループに別れる。時折、後ろを見ながら調整するリーダーのmakotoさん。歩いていても立ち止まっても話が尽きない今日のメンバー。2合目の看板で後続グループを待つ。ここから左に10mも歩けば鉄塔下に出る。鉄塔下は切り開かれており西側の展望が開け、霞みたなびく滋賀県の田園地帯が青く望めた。
同じようなジグザグはしばらく続く。人工林の中の潅木は黄色く色づききれいだ。いきなり林道に出る。3合目の表示。林道は荒れておらず、車でここまで上がれるかもしれない。一息ついて、林道を右へ歩き、すぐに左への道に入る。表示があり、見落とすことはない。右山で歩くとすぐに左手の天然林の中に小屋を見る。金明コーヒー250円の表示がある。シーズンにはこの小屋が喫茶店になるようだ。それにしても雰囲気のいい林の中に小屋がある。ここで飲むコーヒーはきっと美味しいに違いない。金明コーヒーの意味がわからなかったが、この先にある水場が金明水と呼ばれており、この名前が付けてあるようだ。
人工林を右にジグザグに登っていくと前方が開けてきた。鐘の音が聞こえてくる。大きく切り開かれた場所に飛び出す。5合目である。新築の小屋があり、すばらしい展望地だ。正面に見える2つの鉄塔のある山は竜王山。下界もよく見える。小屋はきれいで、泊まることもできそう。小屋には「若い力」と表示してあり、標高を記念日にしたのは日本初と書いてある。1110m=11月10日は綿向山の日という意味である。毎年、11月10日にはイベントが行なわれ、以前、この日にmakotoさん達が登られたそうであるが、たいへんな賑わいだったそうだ。
この先、山腹を切り開いた緩やかな広い道を登っていく。右手の谷がせり上がってきたところで美しいブナの林が現れる。7合目。行者コバと呼ばれる場所で、かつて修業僧達が儀式前の準備をした場所であるとの説明書きがあった。「鈴鹿の山はカタカナの名前が多くて分かりにくい」と悶次郎さん。同感である。平らな場所には比較的大きなお社が建てられている。すっかり葉を落としたブナが枝を広げ、落ち葉に覆い尽くされた広い谷の湾曲が美しい。
ここからは谷上部を横切る。谷を見下ろしながら歩く。急斜面に付けられた道は気持ちがいい。崩壊が進み、一部は木橋が架けられている。右にある水無山への分岐を通過し、路面に水がしみ出しているところを歩く。この辺りが金明水と呼ばれる水場のようだ。ササが現れ、展望がすばらしく、セピア色の水無山が一段と大きい。先頭グループは後続グループが追いつくのを待ってゆっくり登っていく。白影さんはビニール袋を持って清掃登山。頭が下がる。なかなかできないことだ。
山頂は近そうだと思っていると、急な階段。今回のルートで最もきつい場所である。先頭のmakotoさんが後に下がった。「先頭が山頂に着くと歓声が聞こえますよ」 makotoさんの言うとおり、山頂から歓声。ゆっくり登り切ると、まず石がセメントで固められた「青年の塔」とお社が見えた。その向こうには鈴鹿の山の大パノラマが広がる。
眼前のずっしりした雨乞岳、その右に一歩下がって対照的な鋭角を見せる鎌ヶ岳。さらに水沢岳など鈴鹿南部の山が連なる。その向こうに太平洋が白い。雨乞岳の左遠方には稜線のくぼみから恵那山が顔を出している。さらに左を見て驚いた。御嶽山が浮かんでいるではないか。鈴鹿の奥の院からも御嶽山が見えるのだ。「鈴鹿の山々を皆さんに裏側から見てもらいたかった」というmakotoさんの今回のオフ会の目的達成。鈴鹿の山といえば昔、霊仙岳や藤原岳しか登ったことがないのだが、今回をスタートに鈴鹿の山に足を伸ばしてみたいと思った。
ザックを下ろすのも忘れて皆さん方位盤の回りで山の同定に忙しい。全員笑顔で記念写真。山が見えるうちにと撮ったが山が写らなかった。山頂は南北に細長く、比較的平で大人数でも昼食の場所には困らない。南に少し下ったところで、早速、makotoさん、sumireさんがシートを広げてランチの準備。makotoさんのザックからカセットガスコンロが出てきたのにはびっくり。ザックに付けてきた大きな中華鍋で焼きそばをしようというのだ。白影さんの大きなザックからはこれまた大きなクーラーバックが。大きなリンゴジュースが2パック入っていた。このジュースは竜王山でいただくことになる。
とにかく、今回も豪華メニュー。焼きそば、水ギョウザ、カレーうどん、焼き餅、ウインナー、唐揚げ、ししゃも、燻製、牡蠣缶、漬け物、サラダなどが次々に回ってきた。デザートの紫芋ポテトやスイートポテト、大福なども山ほど。最近のオフ会はレストラン以上。ショウガが無い、ゴマ塩が無いなど、大騒ぎ。トウガラシや塩コショウは持っていたが、代用できそうにない。「食材はほどほどに」と幹事さんからの事前メールがあったが・・・、持ち上げた食材をそのまま持って帰った人はたくさんいたようだ。
コーヒーにしようかと思っていたところ、小雨が降ってきた。これは本降りになりそうな気がしたので、コーヒーは途中の小屋で飲むことにして、素早く後片づけをした。後片づけをしていると雨は止んだ。山頂から南に少し下ってみた。そのまま進めば、尾根道は左回りに目の前の雨乞岳に続いている。このルートは背丈ほどのササで道が不明瞭と3合目の林道に注意書きがあったが、いつかは歩いてみたいコースである。
たけさんと竜王山方面のルートにも少し踏み込んでみた。鶯色のササ尾根を歩く道が見下ろせた。これも歩いてみたいと思った。今日の予定は山頂ピストン。せっかくだから水無山に寄ろうという話しになり、今来た急階段を下り始めたところ、後続グループから「竜王山もいいね」という話しが湧き出た。先頭グループは既に階段を下りきっていたが、もう一度呼び戻すことに。お疲れさま。
先ほど見下ろした竜王山へのササ尾根を下る。歩きたいと思ったところであり念願が叶う。日当たりの良い尾根道にはいくつかのスミレが咲いている。すぐに「ブナ珍変木」の看板。ブナの木が高さ1mほどで半円を作っている。この輪をくぐると幸福になれると書かれている。自然にできた不思議な木にびっくり。
ササ尾根を下る。雨乞岳とそれに続く稜線がすばらしい。「大日ヶ岳の縦走路のよう」とASAKOさん。ササ尾根歩きを楽しんだら、雨乞岳に別れを告げ、祝岳分岐から竜王山へと続く尾根を下る。いきなりとんでもない斜面を急降下していく。黒土は滑りやすく、さらに木の根は滑る。ロープが張ってあるところもあり、また落石にも要注意。周囲の木々につかまりながら慎重に下る。ジェリーSさんはジグザグに実に軽快に下っていく。kayoさんもストック無しで身が軽い。下りに強い和たんさんも速い。ダブルストックのASAKOさんはたけさんがエスコート。
下り切って今度は登り。この先いくつかのピークを越えていく。イワウチワの葉がたくさん見られた。また、シャクナゲやアセビの常緑樹が落葉樹の中でよく目立つ。それにしてもシャクナゲが多いのには驚いた。日本庭園を思わせるような風景もある。花の時期にはすばらしいであろう。落葉樹はほとんど葉を落としているが、中には真っ赤に染まったカエデや黄色のシロモジが残っており、一際目を引く。
展望のいいピークから振り返ると今下りてきた稜線が見える。急な下りもよく分かる。その向こうには綿向山が美しい姿を見せる。山頂から1時間以上歩き、かなり標高も下がった。オンバノフトコロの標識があるところで後方グループを待った。ここから少し登ると正面が開けた。芝生の丘陵に大きな鉄塔が2本。5合目から見えた竜王山の鉄塔である。ここからは対面する山の中腹にある赤い屋根の5合目の小屋が見える。写真を撮るなら1つ目の鉄塔下がいい。2つ目からは電線が邪魔になる。大きな綿向山も迫力がある。反対側の下界もよく見え、バツグンの展望地。
2つ目の鉄塔下でコーヒータイム。すばらしい展望の中、たくさんのおやつで30分ほどコーヒーブレイクを楽しんだ。白影さんのリンゴジュースが美味しかった。立ち止まるたびに話しが盛り上がる。十分に展望を楽しんだら尾根を下る。10分ほどで竜王山山頂。鉄塔が竜王山かと思っていたが、正しい山頂はこちら。樹林帯の中ではあるが一部切り開きがあった。ここで再び三脚を出して全員写真。予備は白影さんのカメラ。
ここから美しい天然林の斜面をジグザグに下る。この辺りはまだ葉が落ちていない木々も多く、紅葉が美しい場所でもある。植林地帯を抜け、竜王山から15分ほどで林道に出た。全員揃うのを待って、林道を下った。道は途中から舗装道路となり、集落に入り西明寺前でトイレ休憩。またまた立ち止まると話しが尽きない。
ノギクを見ながら車道を歩いた。途中、水飲み場で冷たい水をいただき、西明寺口バス停を経由して20分ほどで駐車場に戻った。我々の車だけが残っていた。皆さんとまたの再会を約束して別れた。すばらしい山を紹介していただだいた今回のホストであるmakotoさん、sumireさんに感謝。そして参加されたみなさんありがとうございました。
今回が鈴鹿デビューであり、思い出に残るオフ会。皆さんに「HPのタイトルを変えたら」、なんて言われましたが、「岐阜県からの山歩き」と読み直していただき、今後も鈴鹿方面に足を伸ばす予定。
山のリストへ