焼岳 (2455m: 北峰:2393m 上宝村) 2001.8.14 晴れ 2名
中の湯新道登山口(5:15)→旧中の湯分岐点(7:00)→焼岳北峰山頂(8:30-9:25)→焼岳小屋(10:30-11:45)→焼岳山頂(13:08-13:20)→旧中の湯分岐点(13:52)→中の湯新道登山口(15:05)
昨年、焼岳に中尾温泉から登ったが、中尾峠から上が強風と濃いガスに阻まれ、山頂からは全く展望が得られなかったため、今回、リターンマッチとして再び焼岳に挑戦。
今回は、長野県側の中の湯新道から登ることとした。平湯温泉の安房トンネル入り口の大きな駐車スペースに13日夜に到着して車内泊。車内泊の車で駐車場は一杯である。中には、車の横でテントを張っている者もある。
14日4時起き。身支度をして、安房トンネルを抜ける。中の湯旧道は上高地入り口の釜トンネル手前の中の湯バス停の近くにあるが、新道の登山口は、岐阜方面から安房トンネルを抜けて直ぐに左折し、R158の安房峠10号カーブ少し先の左の広い駐車スペース向かいにある。車でいくらか標高を稼ぐことになる。
この日の天気は晴れ。駐車場には先客の車3台止まっている。今回は、前回の教訓を踏まえて、9時までに山頂に着く計画。雲が沸く前であり、穂高や笠が見えるはずである。5時過ぎに登山口を出発。この新道は、中の湯温泉が安房トンネル建設に伴い1998年に7号カーブ近くに移転し、その時に温泉旅館の主人によって切り開かれた道らしい。
歩き始めて直ぐに、登山道脇にペチャンコになってひっくり返っている車が埋まっている。どうやら安房峠から転落した車がそのままになっているようだ。思わず上を見上げる。新しく切り開かれた道だけあって、まだ、十分に踏みならされてはいないため、ササの根が露出したところを歩く。いきなり、急登である。おまけに、ぬかるみが多く、歩きにくい。靴もズボンもべとべとになって登る。倒木や木の根、岩が行く手を阻む。40分ほど歩いて、朝食のにぎり飯を食べ、ピッチを上げる。急登にうんざりした頃、道は平坦になり、ブナやコメツガやオオシラビソの樹林が続く。樹幹から焼岳の山頂がちらりと見え始める。樹林を抜け、ナナカマドが目に付くようになる。
ちょっとした広場からいきなり噴煙を上げる焼岳と奥穂、前穂が見える。直ぐに、旧道との分岐点、その先で泥流が流れた谷に出る。そこから穂高がシルエットで望める。行く手には、草付きの広大な斜面とその上に異様な岩塊が望める。コケモモの赤い実やコイワカガミ、オンタデが目につく。ここから、ひたすら斜面登りである。硫黄の臭いが鼻をつく。南峰と北峰の鞍部を目指して登る。鞍部には標識が見えるが、近そうで遠い。後方には乗鞍が次第に全容を現す。かなりバテながらジグザグをひたすら登り、鞍部へ到着。
いきなりコバルトブルーの火口湖と湖を取り囲む焼岳外輪山の険しい岩峰が見える。右手のすさまじい噴煙を上げる立ち入り禁止の岩場まで登って、その噴出口を覗いてみる。岩に付着した黄色い硫黄が美しい。北峰の山頂へはここから右へ大きな岩塊をまいて行く。
8:30山頂到着。1年ぶりの山頂である。笠ヶ岳から双六・鷲羽、西鎌尾根を経て槍ヶ岳、西穂、奥穂、吊尾根から前穂、明神が180度の視界の中に納まっている。北アルプス最南端から見る壮大な光景が広がる。これが見たくての2回目の登頂である。山頂で、他の登山者と山談議をしながら、この絶景を1時間ほど楽しむ。予想通り、9時過ぎには雲が湧き上がり、笠や槍・穂高は次第に見えなくなってしまった。
その後、ザレ・ガレの急斜面を中尾峠に下り、展望台の小高いピークを越え焼岳小屋へ。ビールと昼食、コーヒーを楽しむ。計画では上高地へ下って、登山口までタクシー利用を考えていたが、上高地の混雑や時間的・体力的に余裕があることから、今来た道を引き返すことに。
1時間以上かけて再び山頂へ。せっかくだから、火口湖とその隣にある噴火口を覗こうと火口へ降り始めたとき、突然の雷鳴。火口ウオッチングはあきらめ、早速、登ってきた道を引き返す。雨には降られなかったものの、雷鳴に追い立てられて、早足で下山。新道には雨が降ったらしく泥や濡れた木の根で何度か滑って下山。帰途は安房峠を越え、先月同様、神の湯で汗を流して、お盆で渋滞の高速道路、156号を避け、裏道を走って帰途についた。
このコースは、駐車場が登山口になっており、上高地の喧騒を避け、静かな3時間程度の山歩きで北アルプスの絶景を楽しめる。中尾温泉コースよりも展望がよく、お勧めのコース。前夜泊日帰りでお試しください。
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