トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

大谷山・八坂山 (215m・225m 川辺町) 2017.10.14 曇り・一時雨 2人

登山口駐車場(11:17)→<八十八カ所順拝道>→秋葉神社・大谷山山頂(11:49-11:57)→鞍部分岐(12:03)→鹿塩分岐・鉄塔周辺(12:07-12:36)→石神分岐(12:39)→八坂山城址(12:42-12:49)→御嶽社(12:50-12:54)→駐車場・大谷公園・昼食(13:05-14:03)→<順拝道80番〜63番>→鞍部分岐(14:16)→秋葉神社(14:22)→<秋葉神社参道>→駐車場(14:34)→毘沙門天(14:39)→駐車場(14:43)

★10月14日に川辺町の大谷山と八坂山に登ってきました。
★大谷公園の駐車場をスタートして八十八ヶ所巡拝道に入り、1番から順に石仏を数えながら登りました。
★低山でありながら、石仏を巡る大きなジグザグ道は歩きがいがあり、46番石仏で稜線へ。
★秋葉神社のある大谷山山頂を踏んで稜線を北へ歩きました。
★鞍部から巡拝道を下らず、八坂山方向へ。
★最高点付近で八坂山山頂を探しましたがヤブで到達できず、鉄塔を山頂として写真を撮りました。
★山頂付近に八坂山城跡や御嶽神社があるものと思い込み、山頂付近を彷徨った後、南へ下って城跡を発見。
★城跡や御嶽社で大展望を楽しみ、御嶽社参道を下りました。
★大谷公園で昼食をとり、取りこぼした巡拝道後半部分を登り、秋葉神社参道を下って全てのルートを制覇しました。★小雨模様でしたが、ルートファインディングと展望を楽しむ面白い山歩きとなりました。

 大谷山と八坂山は鬼飛山のすぐ東に位置し、標高200mほどの超低山である。鬼飛山を登り終えて、既に11時を回っているが、大谷山・八坂山の山頂までは登山口からの標高差が100mほどであり、1時間もあれば周回できると考えた。しかし、十分に下調べをしていなかったことから、2時間ほどの時間を要することになる・・・。

 鬼飛山の登山口である賑済寺駐車場から41号バイパスの東に出て県道80号に入る。県道は鬼飛山と大谷山の間を走っており、バイパスの下を潜って、左側にある大谷公園の反対側の駐車場に車を停めた。大谷公園のトイレに寄って、駐車場の奥にある案内図を確認。

 この山の最大の魅力は、八十八カ所巡拝道を歩いて、88の石仏を巡ることができる。順拝道を歩くと八坂山を通過しないことから、62番まで順拝道を歩き、その後八坂山を回る周回ルートを選んだ。駐車場の入り口の左右に登山口があり、左が大谷山登山口、右が八坂山登山口である。

 下山して気づいたが、八坂山登山口には案内チラシが置いてあり、これを見ながら歩けば、短時間で周回できたのだが・・・。傘をストック代わりにしてスタート。

 大谷山登山口から階段を登りかけると、軽トラックがすぐ上にある秋葉神社下社から下りてきた。運転していた男性から、雨で滑りやすくなっているので気をつけるように言われた。小さな親切がうれしい。

 階段を登ると県道の法面上部に南無修業大師像など番外の石仏があり、まずはここで手を合わせる。順拝道を歩くと、1番の釈迦如来の石仏があった。この先、すべての石仏に番号と名前が書かれたプレートが設置されている。

 赤土の道を歩くと分岐があり、直進は大谷山山頂にある秋葉神社へ直行する参道、左は順拝道である。石仏を巡るため、左に進む。少し下りながら時計回りに行くと、斜面や石の上に佇む石仏が次々と現れる。大谷山を見上げる場所には弘法大師の石仏があった。

 明るい道を折り返すように歩いて岩の上の石仏を数える。2体が並んでいる石仏もある。秋葉神社参道に合流してベンチのある先から順拝道は参道を離れ右に向かう。暗い湿った樹林帯の道となり、濡れた落ち葉を踏みながら石仏を数える。

 道は大きく折り返しながらほぼ水平に付けられており、標高を稼ぐことができない。標高差100mの間に約50体の石仏を並べるため、このような道になるのは当然で、歩きがいのあるコースだ。17番の薬師如来が倒れて落ち葉に埋まっていた。

 参道に接する辺りで折り返して左山で歩き、八坂山が見える辺りで折り返して右山で歩く。これを何回も繰り返す。一部で下界が見える場所があるが、展望地は少ない。次第に稜線が近づき、右端を曲がるときに八坂山の鉄塔が見えるようになった。

 46番の薬師如来が現れたところで、稜線の三叉路に出た。大谷山山頂は秋葉神社があるところにあり、左に向かう。1分もたたないうちにトタン屋根の東屋と物置が現れた。その左には木製の鳥居があり、秋葉神社の名前が掲げてある。秋葉神社参道はこの鳥居に繋がっている。

 秋葉神社の西側にはベンチの置かれた展望地があるが、切り開きはわずかである。展望地の北側の一段高いところに小さなお社が2つあり、ここが大谷山山頂のようだ。

 写真を撮って46番石仏まで引き返し、稜線を北に進む。稜線上にも石仏が並んでいる。やがて稜線の両脇にロープが張られており、ロープ外への入山が禁止されている。松茸の時期であり、入山が制限されているようだ。ロープ外にも石仏があるが、この時期に近寄ることはできない。

 ヒカゲツツジを見ながらの下りとなり、ウラジロに覆われた62番を見てさらに下ると三叉路の鞍部に下りた。鞍部にはベンチと案内板があり、案内板には石仏の配置略図が描いてあるがよく分からない。八坂山城址・御嶽社の案内は右の階段を登るよう矢印があるので、ここから石仏巡りを止めて八坂山を目指す。

 階段を登って、コシダの道を2・3分歩くと分岐が現れ、左は「鹿塩長冒寺まで約20分・長冒寺から大谷駐車場まで15分」のマジックでかかれた板が設置してある。踏み込んでみるとすぐに鉄塔に突き当たった。展望はなく、鉄塔先は草に覆われてヤブ状態。

 GPSを見るとこの辺りの標高が最も高く、八坂山山頂付近と思われたが、標示はない。また、八坂山城址が山頂にあるものと思い込んでいたことから、城址の形跡はなく、道を間違えたと思い、再び鞍部分まで引き返した。

 鞍部にある標示は、今進んだ方向に城址があることを示しており間違っていないようだ。再び鉄塔分岐まで引き返し、鉄塔方向には行かずさらに直進すると下りになり、石神の分岐が現れた。石神方向は枯れ木で止めてある。

 やはり山頂は鉄塔付近と確信して、鉄塔手前から標高が一番高い位置への道を探すがヤブ状態で最高点に行くことはできない。小雨が降りだしたので傘をさす。三度、鞍部分岐に戻って、城址はあきらめて順拝道を下ろうと思ったが、駐車場で案内板の写真を撮ったことを思い出し、カメラで案内板を見直してみて謎が解明できた。

 八坂山は城址があるところで、最高点にあるのではなく、石神分岐点をさらに下ったところにある城址を八坂山と呼んでいるようだ。地図にある最高点の標高は232m、案内板の八坂山の標高は225m。思い込みで鉄塔周辺を30分彷徨った。

 鞍部からまたまた引き返して、石神分岐を通過するとすぐに前方に高台が現れた。八坂山城址である。高台の上に出るとアカマツの広場があり、井戸には水がたまっていた。東に歩くと本丸跡があり、その先で展望地に飛び出した。

 ベンチのある展望地からは東から南にかけての眺望があり、雨は止んだが、納古山方向は雲に隠れて見えない。南には愛宕山から続く山々が望めた。東に立ち上がる三角形は川辺町の権現山のようだ。

 城址を後に、南に下って行くとすぐに展望地に飛び出した。御嶽社で石碑やお社、東屋がある。神社に参拝して展望を楽しむ。今日の山歩きで一番の展望地である。眼下に41号バイパス。川辺の田園や町並み、その向こうには愛宕山が美しい三角形を見せる。米田富士山と呼ばれるとおりの山容である。

 右には先ほど登ってきた鬼飛山が間近に迫っている。駐車場への道は展望地の右側にあるが、左側にも道があり「お墓の駐車場まで約20分」の標示。東屋には川辺中学校1年生の絵が飾ってある。

 御嶽社を後に、手すりのある急な石の道を下る。この道は御嶽社参道であるが、山道である。この参道にも番外ではあるが石仏や灯篭などがある。コシダの道をジグザグと下って奉納の幟を通過し、毘沙門天への分岐を左に見て80番台の石仏群へ。金属階段を下って駐車場に戻った。

 山中を彷徨ったことから午後1時を回っていた。駐車場の登山口で案内チラシがあることに気づきチラシを入手。昼食は誰もいない大谷公園の東屋でとった。昼食をとりながらチラシを見て、全てのコースを歩くことにした。

 昼食後、歩いていない八十八カ所巡拝道80番から63番を逆コースで巡る。大谷山登山口手前から秋葉神社下社へ。下社の前は広い空き地になっており、空き地に咲くセンダングサの花の上をアサギマダラが舞っていた。これから南へ旅に出るのだろうか。

 下社の右にある80番石仏に手を合わせて、巡拝道に取り付く。右に谷を見ながら左山で石仏を数える。トラバース道にはベンチが設置してあるところもある。谷に堰堤が現れると鞍部は近い。駐車場から13分で鞍部に着いた。

 下山は歩いていない秋葉神社参道を下ることにして、先ほど歩いたロープのある稜線を逆に歩いて秋葉神社へ。鳥居をくぐって参道を下る。参道は明るく、展望地も多い。急斜面や谷状態になったところもあり、慎重に下って駐車場に戻った。

 これで4つのコースを全て歩いたことになるが、もう1つ行かなければならないところがある。88番の石仏がある毘沙門天。駐車場から県道を東に歩いて、石柱のあるところから一直線に階段を登って毘沙門天前で石仏を確認。御嶽社参道に合流して駐車場に戻り、大谷山・八坂山の旅を終えた。

 大谷山・八坂山は超低山でありながら、石仏や城址、展望地など見どころが多く、楽しい山歩きができる。短時間で周回できるので近くの鬼飛山や愛宕山、米田白山などと組み合わせて登るのがいい。いい山を見つけた気分で川辺町を後にした。
★八坂山からの展望

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