米田白山 (274m 美濃加茂市) 2003.6.14 曇り一時小雨 2人
さくらの森東駐車場(10:21)→3番鉄塔(10:33)→4番鉄塔分岐点(10:42)→八畳岩(10:45-10:52)→米田白山山頂(11:03-11:10)→展望台(11:18)→(戻る)→山頂東の岩のテラス(11:27-12:20)→(山頂経由)→さわがにのかくれんぼ・まどろみの広場分岐点(12:34)→まどろみの広場(12:47)→東駐車場(12:56)
梅雨本番。この週末も曇り・雨の天気予報。雨は夕方から降るという予報を信じて、低山でありながら展望がよいことで評判の美濃加茂市にある米田白山に登ることとした。美濃加茂の市街地を抜けると右手に低い山が見えてくる。標高はわずか274mの米田白山である。
飛騨川にかかる青柳大橋を渡るべきところを、新青柳橋と青柳大橋が並んでかかっていることに気がつかないまま、手前にある新青柳橋を渡ってしまった。この橋を渡ると県道64号線を横断して米田白山の南側に回り込み、八百津町に行ってしまう。米田白山の真南まで進んで気が付き、Uターンして県道64号線まで戻り、青柳大橋から続く道に合流。道なりに走れば、米田白山を右手に見ながら、第1、第2駐車場を山側にやり過ごし、第3駐車場(一番東の駐車場)に車を止めた。
10台ほど駐車可能。鉄塔が間近に迫っているのが目印。また、道路左手には、きれいなトイレと大きな交流施設と管理事務所がある。この辺り一帯は「さくらの森」として整備され、米田白山の散策路もこの公園整備の一環。交流施設周辺にはたくさんの人が集まっており、清掃活動の日のようだ。駐車場へつぎつぎと車が集まってくる。山歩きは我々だけのようで、ちょっとうしろめたい。
早速、東の鉄塔を目指して左の遊歩道に入る。10分ほどで鉄塔横に着く。鉄塔下に寄って3番鉄塔であることを確認。道は南に向かい暗い樹林帯を抜け、雨水で洗われ岩盤が露出した滑りやすい道を登る。後方には下界が広がってくる。ショウジョウバカマそっくりの葉から真っ直ぐに伸びた花茎、そこにたくさんの小さな蕾をつけているのはノギランのようだ。もう少し遅ければ花を見られたのにちょっと残念。右手下方の山腹にはログハウスが見える。
4番鉄塔への分岐を過ぎてすぐに明るい岩尾根に飛び出す。八畳岩と呼ばれている場所のようだ。南も北も大展望。北には工事中の環状線が真っ直ぐに伸びている。この山の下にトンネルが掘られているようだ。左には誕生山・天王山。右には飛騨川が望めた。川辺ダムにかかる橋やその右に愛宕山。その向こうには七宗町の納古山が美しい山容を見せている。南には先ほど道を間違えてUターンした場所や土岐・多治見方面の低山が見える。あいにくの天気で遠くまでは望めないが、実に気持ちのいい場所である。西にはこれから歩く尾根の緑が美しい。
ここからがこの山の最大の魅力のコース。点在するチャートの岩尾根を歩く。ニガイチゴがたくさんの実をつけている。山全体がイチゴで埋まっていると言ってもいいほどニガイチゴが多い。核が苦いためこの名前がついたそうだ。甘酸っぱい大きめの実をつまみながら歩いた。尾根で2ヶ所ほどにニガイチゴとはちがったオレンジ色の粒の細かい種類のイチゴを見つけた。後にSさんからコジキイチゴであることを教えていただいた。何ともかわいそうな名前のイチゴである。名前に似合わず、ニガイチゴよりも甘く美味しい。ウスノキの果実も真っ赤に色づいて、食べ頃。チューリップの形をした小さな赤いルビーは芸術品。ニガイチゴとはひと味違ってこれまた美味しい。この時期の山歩きは花が少ないものの、食べ歩きの楽しみがある。
尾根でたくさんの蝶に出会った。今年初めて見るムラサキシジミの輝く紫色が美しい。こぜわしく飛び回るダイミョウセセリが胸元に止まった。蝶は羽を立てて止まるというが、その例外がこの蝶。広げた羽の白い斑紋が美しい。
やがて左手に大きな岩が現れ、道はその北を抜ける。せっかくだからこの岩に登ってみる。ヒカゲツツジの間を登って岩のテラスに出た。大展望である。さらに左手に一段高い大岩があった。三点支持でその大岩に登ってみた。2mほどの登りであるが、切れ落ちた岩壁は高く、樹木の頭はかなり下にある。ちょっとしたスリルを楽しむ。
岩の上は平なテラスで北も南も大展望。眼下の樹間を小鳥の群が飛び回ってる。南には木曽川と環状線の工事現場が見える。東に笠置山が美しい輪郭を描いている。こんな場所は他の山にはそんなにあるものではない。十分に展望を楽しんで、山頂をめざす。
少し西に歩いて、山頂北側を通過する道に入らず、尾根筋に登ると二等三角点のある山頂に到着。通過点のようで狭く、展望もない。金比羅山などで見かけたものと同じ作者と思われる茶色の小さな山名表示板が掛かっていた。すぐ西には反射板が北を向いて建っていた。
明るい尾根を下りながらさらに西へ向かう。真っ白な花を咲かせた1株のクチナシが美しい。下りきったところに、駐車場へ下りる道と西の展望台へ続く道の分岐点。ここから緩やかに登れば前方に展望台が現れる。屋根付き、ベンチ付きの立派な木造の展望台で、北から西の展望がすばらしい。
展望台で昼食と思ったが、雨も落ちてこないので、先ほどの岩のテラスまで戻って昼食をとった。誰も登ってこない。麓の集落の正午のチャイムが鳴り響くのどかな岩の上でゆっくりとランチを楽しんだ。コーヒータイムの頃、パラパラと小雨が降り始めた。傘を出そうかと迷っているうちに雨もやんだ。雲行きもあやしいので、早速、山頂経由で展望台前の分岐点からニガイチゴの遊歩道を下った。
数分で左には「さわがにのかくれんぼ:5分」、右には「まどろみの広場:15分」の標識がある分岐点へ。右を選択して、ヒノキの暗い樹林帯に入る。足下にひっそりと咲くタツナミソウが美しい。一旦下り、登り返す。今日、刈り取られたと思われる草が道端に散乱していた。このまま進むと再び先ほど歩いてきた道に合流してしまうのではとも思ったが、道は北に向きを変え、まどろみの広場に出た。
芝生広場とその中央にきれいなログハウスが建っている。舗装道路の終点となっており、車でも上がってこれるようだ。広場の端から遊歩道を下った。オカトラノオの真っ白な花が美しい。車道を横切り駐車場に戻った。
草刈りをしていた高齢者の方の話しでは、数人で月数回この遊歩道周辺の草刈りをするなど「さくらの森」の管理をしてみえるそうだ。もちろんボランティア。夜になると、車が入り込んでゴミを散らかしたり、交流施設がたまり場になったりと管理に苦労されている。一番西の駐車場から展望台に登る途中の谷「さわがにのかくれんぼ」には、100mほどアジサイが植えられており、今が見頃との話しであった。そこで西の駐車場まで車で行き、数分歩いて「さわがにのかくれんぼ」まで登ってみた。咲き始めたアジサイがすばらしかった。
米田白山は低山でありながら、展望もよく、気持ちのいい尾根歩きが魅力。1時間半あれば一周できるので、この方面を訪れたときに、登っていただきたい1山である。帰路、今年の春にオープンした美濃加茂市の日本昭和村に寄り、なつかしい駄菓子などを見ながら園内の散策を楽しんだ。
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