トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

湯之洞山 (504m 美濃市) 2015.12.12 晴れ 2人

立花ふれあいセンター(8:51)→六角堂入り口(8:57)→六角堂(9:09)→279mピーク(9:35)→6番鉄塔(9:44)→7番鉄塔分岐点(9:56)→稜線合流(10:30)→湯之洞山山頂(10:44-10:52)→南峰手前のピーク(11:00-11:07)→湯之洞山山頂(11:13-12:30)→7番鉄塔分岐点(13:10-13:18)→6番鉄塔・5番鉄塔分岐点(13:30)→5番鉄塔(13:37)→車道(13:46)→立花ふれあいセンター(14:00)

★12月12日に美濃市の「湯ノ洞山」、別名「高山」に登ってきました。
★美濃市立花から長良川に沿って東に向かい、遊歩道を歩いて六角堂へ。
★六角堂から山道に入り、立花トンネルの上を通って279mピークを経て、大きく下り鉄塔へ。
★鉄塔から明るい稜線のアップダウンを繰り返し、正面の湯ノ洞山を目指しました。
★鉄塔巡視路を離れ、急斜面を登り、大岩を迂回して、主稜線へ。
★西に向きを変え、松葉を踏みながら急なロープ場を登って湯ノ洞山山頂に到着。
★山頂からは、眼下に蛇行する長良川や東海北陸自動車道、遠くには恵那山や御嶽山。そして、登ってきた尾根全体を見渡すことができました。
★温かい山頂で、ゆっくりとランチを楽しみ、帰路は登ってきた道を引き返し、鉄塔から湯ノ洞温泉へ下りました。
★案内標示やロープなど最近整備が進んだようで、紅葉を見ながら変化に富んだ里山歩きを楽しんできました。


美濃市の北部に未踏の低山が3つある。母野洞、鶴形山、湯之洞山である。いずれもマイナーな山で、1日かければ3山を周回することもできるが、今回はまず、最近、コースが整備された湯之洞山を選択した。

 登山口はいくつかあるが、今回は南から攻めることとし、国道156号線を北上。美濃市にある道の駅「美濃にわか茶屋」のトイレに寄って、さらに北上。長良川を渡って立花トンネル手前で右折。東海北陸自動車道の橋梁の下を潜る。ここの路肩が広く、ネット情報ではここに駐車する登山者が多いが、現在、橋梁工事が行われているらしく、ここが資材置き場となっていた。
 
 やむを得ず、駐車する場所を湯之洞温泉の下山口に停めるため車を進めると、立花ふれあいセンターが目に止まった。駐車場にはゲートボールをしている方の車が2台停まっていた。駐車可能かどうかを確認するためセンターを訪ねたが、不在。隣のゲートボール場でプレイをしていた方にお聞きすると、特に行事もないので駐車しても問題ないと言われた。センターの駐車場にある銀杏の大木が黄色に紅葉して美しい。
 
 センター前の車道を、右に長良川を見ながら東へ歩く。自動車道と長良川鉄道の橋梁の下を潜ったところで、左の山側に細い舗装道路が派生しており、鹿苑寺地蔵堂の標示がある。六角堂と呼ばれる寺であり、この道に入る。

 紅葉したモミジを見ながら落ち葉の積もった道を歩くと、右から上がってきた道と合流。右は佐々坂との表示がある。石仏を見ながらクランクして歩き、階段を登ると寺に到着。立派な六角堂には県重要文化財の木造地蔵菩薩が納められている。
 
登山道は六角堂の広場の隅にある。「高山登山道登り口」と書かれた青い看板が立っており、電柱や簡易トイレもある。湯之洞山の別名は「高山」であり、今回のルートの標示は「高山」に統一されている。

 落ち葉を踏みながら電柱を拾って登って行くと、登山道の上に石で囲まれた標高190mの四等三角点があった。さらにその先でNHKのアンテナ施設を通過。人工林を抜けて尾根に出ると展望地があり、眼下に長良川が望めた。
 
 緩やかに下って人工林を登り返すと279mピーク。展望はない。標示は右に「→」。落ち葉の斜面を下る。急傾斜となり、道が怪しいところもあるが、赤や白のテープを拾って下る。標高差50mほどを下って鞍部から登り返すと明るい尾根を通過。ロープが設置してある急坂を下ると鉄塔下に出た。6番鉄塔である。
 
 ここから左右の展望が素晴らしい。右は7番鉄塔の先に鶴形山が望める。わずかに長良川も見える。左には5番鉄塔の先に誕生山や天王山。この鉄塔のすぐ先に分岐点があり、左に下ると5番鉄塔を経て湯之洞温泉に至る。帰路はこの道を下ることとして、7番鉄塔標示のある尾根を進む。
 
 明るい尾根が続き、前方には鶴形山。その稜線を左にたどると、これから目指す湯之洞山がある。下りにかかった辺りから湯之洞山の鋸状の稜線がよく見える。どのピークが湯之洞山であろうか。
 
 気持ちのいい松の尾根が続く。ピークを下って鞍部で7番鉄塔への分岐を見る。ここから尾根を左に外して、右山でトラバース。尾根に出ると大きな3つの穴があった。人工的に掘られたもののようだ。
 
 この先で西に向きを変え、いよいよ稜線に向かっての急登となる。標高差150mほどを真っ直ぐに登っていく。松ぼっくりを小さくした実がたくさん落ちている。ツガの実のようだ。傾斜のきついところはロープが設置してある。
 
 稜線近くまで登り詰めたところで、大岩に突き当たり、この岩を左から巻く。ここにもロープが設置してあり、ロープの安全を確かめて登るよう注意看板もある。大岩を巻き終える辺りは、足場のない垂直に近い斜面であり、ロープたよりに登り切った。

 稜線に出て、左に進む。踏み跡はしっかりしている。ロープのある湯之洞山山頂手前のピークを越え、湯之洞山山頂への登りにかかる。人工林の中、木の根がむき出しになった急な尾根をロープに沿って登っていく。この辺りも最近ロープが設置されたようだ。

 一気に登り切って明るい山頂に到着。松の木が立っているが、東から南にかけての木々が伐採されており、展望は文句なし。御岳は雲に隠れていたが、中央アルプスの白い峰や恵那山が望めた。南には長良川が山間を流れ、古城山が誕生山と間違えるような山容を見せてくれた。
 
 なんと言っても、この山のすばらしさは、今、歩いてきた尾根の全体を見渡すことができる点である。長良川からダイナミックにうねって立ち上がる尾根は圧巻である。尾根の先端を長良川が大きく蛇行する様子がおもしろい。山頂には湯之洞山と高山の2つの標示板があり、記帳ノートのポストが設置してあった。記念写真を撮って、南峰まで行ってみることにする。
 
 山頂から西の尾根を下る。踏み跡はしっかりしており、ヤブではない。アップダウンしながら10分ほど歩いて松葉に覆われたピークに出た。展望はない。ピークの南まで歩いてみると、切れ落ちた岸壁の上であることが分かった。ここが南峰だと思ったが、後にGPSのトレースを見てみると、南峰はもう1つ先のピークだった。

 引き返して、湯之洞山山頂まで戻り、昼食にする。メニューはカレーうどん。12月にしては異常に温かい山頂で、素晴らしい展望を前に昼食をとった。昼食をとっていると、単独男性が登ってみえた。聞けば、長良川沿いの路肩に車を停めて、湯之洞温泉から登ってきたとのこと。我々は六角堂から登ってきたことを伝えると、六角堂経由で下山してみると言われた。我々と逆コースである。男性は、すぐに下って行かれた。昼食を終えて、展望を見納めとする。御嶽山がほぼ見えるようになっていた。

 ノートに記帳して下山開始。登ってきた道を引き返した。稜線を離れて大岩を巻く急斜面のロープ場で、RAKUENUがスリップして左足を痛めた。後の診断で靭帯が伸びたとのこと。歩行には問題なく、急斜面を下って6番鉄塔まで戻った。

 鉄塔手前から、右折して湯之洞温泉への道に入る。かなりの急斜面で、鉄塔巡視路であることから、プラスチック階段が設置してある。今年は暖かいので、モチツツジの花がいくつか見られた。緩やかな尾根道となり、右下には木々の間からお寺の屋根が見えた。湯之洞の一番奥にある寺院のようだ。

 前方に誕生山を見ながら明るい道を下って、5番鉄塔を通過。右に湯之洞山を見て、ロープのある急斜面を通過し舗装剛路に出た。ここにも登山口を示す青い看板が設置してある。近くには2台ほど駐車出来るスペースもあった。湯本館を右に、谷川に沿って車道を下る。

 途中、長良川発電所へ水を供給する煉瓦造りの水路の下を潜る。階段を登ってみると、大量の水がごうごうと流れていた。登録有形文化財の標示があり、歴史のある遺産である。冬の日差しを浴びながら落ち葉の散る道を歩き、長良川沿いの道に出て、ふれあいセンターまで戻った。

 今回、出会った登山者は1名のみ。素晴らしい展望と変化に富んだ山であるが、まだ広く知られていないようだ。登山者用の駐車場などが整備されるといい。急斜面のロープ場がいくつかあり、滑りやすいところもあるので要注意。残された鶴形山と母野洞は次回のお楽しみである。

 帰路、長良川発電所に寄って、豪快な放流を見学。さらに洲原神社に寄って参拝し、鶴形山の登山口を確認した。
★湯之洞山からの展望

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