高賀山 (1224m 洞戸村) 2005.3.13 6名 晴れ・曇り・雪

駐車場(8:29)→林道・登山口(8:46)→岩屋(9:23-9:31)→御坂峠(10:08-10:13)→高賀山山頂(10:43-12:25)→(西尾根ルート)→駐車場(14:49)

【参加者】 カッペさん、ミツルさん、makotoさん、ジェリーSさん、RAKU、らくえぬ

 カッペさんから「RAKUさんにどうしても歩いてほしいコースがあるから、・・・。」と山行のお誘いを受けた。目的の山は高賀山。ただし、帰路は西尾根を下るという。カッペさんのお気に入りのコースであり、雪のある時期にほぼ毎年歩かれている。今年も、2週間前に歩かれている。この時、我々は都合がつかず参加できなかったため、再び山行を計画していただいた。こちらの都合に合わせていただき申し訳ないと思いながらも、案内人がいないと歩けないルートなので、その言葉に甘えて、13日の山行を決定した。前回、参加できなかったミツルさん、makotoさん、ジェリーSさんの6人パーティーとなった。

 昨夜降った雪で白い田園や雪化粧した美しい相戸岳を見ながら洞戸村へ入る。道の駅で待ち合わせ。駐車場に着くと、なんと風花さんが。「ドタ参?」 聞けば、先日白影さん達が歩かれた中美濃林道をテレマークスキーで高賀山へ向かうという。「高賀山山頂で会いましょう」と別れ、6人で国道256号線から右折して高賀神社を目指す。

 高賀神社でトイレに寄り、今日の山行の安全を祈願。さらに狭い舗装道路を上がって東屋のある広い駐車場に停めた。先客が1台。すぐにもう1台。人気の山だ。冬型で天候が思わしくないと思われたが、青空が広がり、高圧電線の向こうに高賀山が白くなった頭を見せている。

 ミツルさんは高賀山がホームグランド。練習によく登るという。我々の練習の山である金華山とはレベルが違う。我々が山歩きを始めた1年ほどはとにかく登り1時間以内の低山オンリーで登ったが、次のステップが2時間の山。その1つがこの高賀山であった。最初にこの山に登ったのはミヤマカタバミの美しい芽吹きの季節。岩屋付近の天然林の谷がすばらしく美しかったことが強烈に印象に残っている。2回目は3年前の2月。雪山入門編として雪山歩きを楽しんだ。いずれの季節に訪れてもこの山はすばらしいであろう。好きな山の1つである。ジェリーSさんは1月ほど前に雪の高賀山に登ってみえるし、makotoさんも1度登られている。全員がなじみの山である。

 身支度を終えて出発。まずは公園を右、人工林を左に、丸木階段を登る。歩き始めは寒いがすぐに熱くなる。林道に合流して、100mほど右に林道を歩き、案内板のある登山口から山道に入る。雪は降りそうにないのでジャケットをザックにつける。

 谷に沿って付けられた道を登っていく。朝日が左手の尾根を照らしている。少しだけ積もった雪で滑らないように慎重に登る。追いついた単独男性に先に行ってもらう。谷を左へ渡り、前方に大きな岩が見え始める。岩屋である。ここで休憩。岩屋には冬の名物のつららが垂れ下がっていた。岩屋からの道は右へ続いているが、うっかりすると真っ直ぐに上っている涸れた谷に入り込んでしまう人もいるそうだ。このため、ミツルさんが岩に「→」を印したとのこと。これなら迷うことはない。

 新雪は2〜3cmであるが、以前に積もった雪が増えてきた。多くの人が歩いており、雪は硬く歩きやすい。下ってくる単独男性に出会う。かなり早い時間に登られているようだ。谷に日が差し始め、時折、木の上の雪がパラパラと落ちてくる。再び人工林の急登をジグザグに登り詰めて真っ白な御坂峠に出た。

 少し風があるが強くはない。ここで2回目の休憩。東側の展望が開けたが御嶽山は雲に隠されていた。峠のすぐ下を走る中美濃林道は雪に覆われてトレースは無い。風花さんはこの林道を上ってくることになっているが、ロングコースのため到着はかなり遅れそうだ。

 ここからは稜線歩き。雪はしっかり踏まれている。右下に林道を見ながら、次第に急登のジグザグ道となる。南斜面の道の雪はすっかり溶け、地面が出ている。後方には今淵ヶ岳や瓢ヶ岳が立ち上がってきたが、雪が流れ始めて、霞んで見える。右手の山々も白くフォーカスがかかっている。先ほど追い抜かれた男性とすれ違った。既に下山である。道がなだらかになると、周りの木々は昨夜の雪が付着して美しい樹氷を作っている。何度見てもこの美しい自然の芸術はすばらしい。

 樹氷を楽しみながら歩き、誰もいない山頂に到着。2週間前よりもかなり雪が少なくなっているとのこと。山頂には立派な山名表示板があり、「三角点を大切に」と書かれた杭が半分ほど雪に埋まっていた。山頂は晴れているが濃尾平野は雪で煙っている。山頂の切り開きが真っ白になった特徴ある山容の蕪山が北に見える。蕪山から高賀山が目の前に見えたことを思い出した。ミツルさんの話しによると、雪の多い時期の蕪山は株杉のある辺りで道が分からなくなるそうだ。

 雪の降らないうちにまずは記念写真。表示板を囲んでチーズ。ランチは西尾根への降り口辺りに会場を作った。ミツルさんの中鍋(大鍋?)で鶏団子鍋。いつものようにまずは少量の湯を沸かして、その湯にガスカートリッジを浸して火力を強めるという裏技。カートリッジがつり下がったタイプだからできる技でもある。

 さらにカッペさんの新兵器が登場。すぐに湯を沸かすことのできる道具だ。コッヘルに金属製の蛇腹を巻くことで熱を効率的に利用することができるという代物。色々なものがあるものだと関心。これでおでんをいただいた。我々は、シュウマイを蒸かした。ちょっと失敗の燻製も。コーヒーのデザートに久しぶりにパンプディングを作った。雪山のデザートには最適である。すき焼きのタレで作ったという鶏団子はたいへん美味しく3杯も頂いた。大鍋でつくるナベは実に美味しい。makotoさんやジェリーSさんからは枝豆、お寿司、唐揚げ、イチゴ、焼酎が登場して、相変わらず豪華なランチとなった。

 我々の他は2人組の1パーティーだけ。雪が降ることもなく、時折日がさす穏やかな天気の中、2時間近くゆっくりしたランチを楽しんだ。いつの間にか濃尾平野の雪は止み、百々ヶ峰や金華山、光る長良川などが望めた。岐阜市からは高賀山の三角形がみえるだろう。そのてっぺんにいるかと思うと気持ちがいい。風花さんと合流できなかったのが残念。後に聞けば、御坂峠までは到着したが、時間がかかり、山頂は断念したとのこと。思ったより天気は良く、中美濃林道からの展望はすばらしかったのではなかろうか。

 後片づけをして、いよいよ西尾根を下ろうとした。ところが、西尾根への降り口には「この先は板取側へは下山できませんので元の道をお戻りください」との注意書きがある。このルートは雪が無い時期には薄い踏み跡がある程度だそうだ。不明瞭な尾根や南への派生尾根があること、急斜面を走る危険な細い鉄塔管理路や道が消えかけた谷などがあることなど、通常の登山道ではない。ましてや雪のある今の時期にトレースはなく、また人工林の中の管理路は雪に埋もれて確認しにくく、道に迷う可能性は高い。何度も歩いているカッペさんでさえ前回は2回も道を誤ったそうだ。ミツルさんも以前にこの尾根を下りかけて、途中で引き返したとのこと。

 表示板を忠実に解釈すると、板取側ではなく洞戸側へ下るのであれば戻らなくてもよいということになる。今回は、洞戸側へ下る計画であり、また経験者同伴ということで、このルートを下った。一部のガイド本には、我々が歩いたこのコースが掲載されているそうだ。しかし、この表示板は通行止めを意味しているかもしれない。こうした状況から判断して、ここではあえてこのコースの記録は掲載しないこととした。m(__)m

(中

 駐車場に着く頃、雪が本格的に降り始めた。林道脇のマンサクの花がモノクロの世界の中でひときわ目立つ。雪降りの中を歩くのは今シーズン最後になるかもしれないと思いながら駐車場に到着。東屋で靴を履き替えていると、先ほどまでの雪がウソのように止み、明るい太陽が顔を出した。見上げれば、朝、白かった高賀山の雪は消え、陽に照らされて黄色く輝いている。初めて歩く道は長いと感じるが、今日は久しぶりにロングコースを歩いた気がした。いい仲間と歩いた、いい山である。道案内のカッペさんに感謝。
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